シュクリー外相は、エジプトを訪問中のケニアのジュマ外相と会談した。GERD建設交渉の進捗、二国間関係が議題になった。合同記者会見にてシュクリー外相は、エチオピア政府が既成事実を作ることでGERD建設問題に対応していることを非難した。
エジプト、スーダン、エチオピアの灌漑、水資源関連の大臣がカイロでGERD建設につき協議した。シュクリー外装は、スーダン、エチオピアとのGERD建設交渉の協議が再開したと述べた。
2019.09.17
エチオピアのシレシ水資源・灌漑・エネルギー相は、エジプト側の提案(貯水量等。詳細不明)は一方的なもので、受け入れられないと発表した。今後、エチオピア側の提案を作成するという。また、エジプトの専門家がGERD管理することはできない、これはエチオピアの主権の損害であると述べた。
エチオピアの『Addis Standard』紙は、エジプト側の提案に対するエチオピアの返答に関する文書(2019年8月1日付け)の要旨を公開した。
*エジプトが要求する400億㎥は、GERDで計測した青ナイルの自然流下による水量とされているが、その根拠となっている記録は1911年から2018年に計測されたものである。この期間の青ナイルの水量は最低290憶㎥から最大690憶㎥と開きがあり、108年の平均水量は35憶㎥である。また、青ナイル上では、多数の灌漑プロジェクト(Fincha
Hydro-power the Tana-Beles, the Chara-Chara weirなど)が実施されていることから、もはや自然流下による水量を計測することはできない。したがって、自然流下による水量の平均値を保証された数値とみなすことは、既存のプロジェクトを否定することに繋がる。*また、GERDの貯水期間が遅れている中、このような厳しい条件の年間放水量は受け入れられない。
*アスワン・ハイ・ダムのダム湖の水位を165メートルで維持することについて:この要求は非現実的であり、GERDの稼働がエジプトの水利用の人質になることと同義である。さらに、エチオピアは、エジプトの水利用やアスワン・ハイ・ダムの放水を管理することができない。この要求に合意することは、終わらない「水の借金」を返済するようなものだ。
*エジプトの要求は現実性を欠いているが故に、エチオピアはこの要求を明確に拒否する。*文書の最後には以下の文言が記載された:エジプトの要求のあらゆる要素が総合的に考慮される場合、以下の結果があり得る:①GERDの貯水の無期限延期、②アスワン・ハイ・ダムの貯水のバックアップとして、GERDがエジプトの水不足に貢献する、③GERDはエチオピアに経済的見返りをもたらさない、④提案されている常設の調整メカニズムが、エチオピアの主権を侵害する、⑤エチオピアは、青ナイルの水資源の公正かつ合理的な利用の権利を奪われる。