シーシー大統領は、国連総会の一般演説にてGERD建設問題に関して、エチオピアとの交渉が進んでいないことが否定的な影響を伴うと述べるとともに、国際社会の介入を求めた。*要旨:エジプトはエチオピアがGERD建設を開始することに理解を示した。この巨大プロジェクトが、下流国の権益を害さないように、その影響調査が十分に行われていないにも関わらずだ。*2015年に原則宣言を交わし、ダムの稼働と貯水に関する規定を設けたが、この交渉は、残念ながら、求められる結果に至ってはいない。*それにも関わらず、エジプトはエチオピア、スーダン、エジプトのナイル川に住む人々の共通の利益を達成するための合意に至ることを望んでいる。*エチオピアの開発の権利を我々は認めると共に、ナイル川の水はエジプトにとって死活的問題であり、実存的問題でもある。国際社会は、全当事者に対して柔軟になるよう後押しする建設的な役割を担うことに大きな責任を負っている。全当事者が満足する合意にいたるためだ。*2011年1月25日革命の結果として国家が直面した問題の中には、エジプトとその子供たちに影響しうるGERD建設があった。この時期だったとしても、エジプトはエチオピアと交渉すべきだった。エジプトは対話を梃子にして政策を実施してきた。今、我々は、GERD建設問題を二国間、三カ国間以上のレベルで扱うために、外交上の緊張を高めている。
エジプト外交筋は、シュクリ―外務相と現在ニューヨークの国連総会に出席している外相次官補らは、欧州諸国の代表に対して、GERD建設に伴うエジプトの損害について説明していると述べた。これらの会合は、シーシー大統領がGERD建設問題に対して国際社会の介入を求めたことと並行して行われているという。
スーダン水資源省の技術局局長のハダル・キスム・サイイドは、9月30日にハルツームで開催予定の3ヵ国合同技術委員会の会合では、全当事者が満足する合意を目指していると述べた。この会合は、10月に開催予定の3カ国水資源閣僚級会合の準備会合として位置づけられる。サイイド氏は、ダム湖の安全な貯水法に関して協議するが、折衷案は7年との見方もあると述べた。
エジプトのハムディー・サンド・ルーザー副外相は、23日から25日にかけて、エジプトに駐在するアラブ、アフリカ諸国大使を集めた会合を行った。GERD建設に係る交渉の進捗が議題になった。
エジプト政府所管のナイル川最高委員会が開催された。マドブーリー首相、アーティー水資源相、国防省と総合情報庁代表者が出席した。9月30日から10月3日までハルツームで開催予定の準備会合と10月4日、5日にかけて同地で開催予定の水資源相級化合の準備に関して協議した。今次会合では、3カ国は、誰かが既成事実をかしたり、他社の利益を考慮すること、エジプト、スーダン、エチオピアの権益を守る公正な合意を交わすことの重要性について協議した。