2019.09.26-30

2019.09.26

ENTRO(the Eastern Nile Technical Regional Office、NBI所管)のFekahmed Negash事務局長は、エジプト側のGERDの稼働と貯水に関する提案(貯水期間7年、アスワン・ダムの湖の水位を介×165メートルで維持する、エチオピアが年間400億㎥の水を放水する)では、エジプトの利益しか考慮されていないと述べた。

2019.09.26

GERD建設交渉に関わる高級官僚は、エチオピアとの交渉の中でエジプトが妥協した点がいくつかあると述べた。一つは、エチオピアが拒否した世界銀行による建設プロジェクトの監督だという。

2019.09.27

国連総会のサイドで、エチオピア政府はアフリカ、欧州、アメリカ、アジア、中東諸国の大使及び代表に対し、GERDプロジェクトの現状と交渉の進捗について説明した。詳細は明らかにされていない。

2019.09.27

スーダンのハムドゥーク首相は、国連総会に際して記者会見を行い、GERD問題は、全当事者の利益が尊重されるようなやり方で、技術面から取り組む必要があると述べ、早期の取り組みが重要であるとした。

2019.09.27

エジプトのマドブーリー首相は、エジプトを訪問中のACWA Power(サウジ)のムハンマド・アブドッラー・アブーナヤーン取締役との会談の中で、政府が完遂の淡水化プロジェクトに最大の関心を払っている、観光地における淡水化とこれに準ずるプロジェクトをすべて省にすることを目指していると述べた。首相は、同社がエジプト国内で淡水化事業を実施し、エジプト政府が水を購入することを条件に、国内で淡水化施設の操業を同社が提案してくれるよう求めた。

2019.09.28

欧州・地中海委員会議議長のムハンマド・アブー・アイナイニ(ビジネスマン)は、国連総会の折に行われた国連工業開発機関の会合で、GERD建設とナイル川の水問題について発表した。会議員はギニア、ザンビア、コートジボワールの首脳が参加した。*ナイル川の水問題が、エジプトの安定と安全に影響することを参加者に説明した。
 同人は、国連総会議長のティガニ・ムハンマド・バンディとも会談した。*同議長の発言:二国間の戦争時だとしても、一国が他国への流水を止めるか、他国との水に関する合意の履行を停止してはならない。なぜなら水は人権の一つであるからだ。GERDの危機は源流国であるエチオピアに内在しておちり、この問題は交渉で解決されるべきである。*GERD危機は、今後の自分の仕事のなかで優先的な問題となる。早期にこの危機に関わり、エジプト、スーダン、エチオピアと協議し、外交的解決を目指すと述べた。

2019.09.29

水資源・灌漑省報道官は、明日ハルツームで開催される国民技術委員会には、3カ国から各5名の大学教授が参加し、10月3日までGERDの貯水と稼働について協議すると述べた。議案には、エジプトの提案(7年で貯水)も含まれるという。
2019.09.29

シュクリー外相は、国連総会のサイドで、ロシア、南スーダン、ブルンジ、セネガル、ギリシャ、フィンランド、インドの外相と協議した。各議題にはGERD建設問題が含まれ、ナイル川の水問題がエジプトにとって死活的かつ実存的問題であり、交渉を進め、3カ国が合意を交わすことの重要性が強調されたほか、交渉が長引くことをエジプト側が求めていない旨が伝えられた。

同日他社報道:*シュクリ―外相とロシア(ラブロフ外相)との会談では、経済協力の見通し、中東特にシリアとリビア情勢及びこれら危機の解決に係る国連の努力の重要性が議題になった。*南スーダンとの協議では、二国間関係と南スーダンの安定に対するエジプトの支援、南スーダンのキャパシティビルディングの必要性が議題になった。*ブルンジとの協議では、二国間関係、共通の関心のある域内・アフリカ情勢、エジプトによるブルンジへの支援が議題になった。インド(ジャイシャンカル外相だが、GERDは協議していない)との協議では、経済・投資面での二国間関係強化、アフリカ連合議長としてのエジプト、アフリカ諸国、インドによる持続的成長強化に向けた協力関係の立ち上げ、カシミール情勢が議題になった。セネガルとの協議では、経済・貿易面での二国間関係強化、地域・アフリカ情勢、アフリカ大陸の安全保障とテロ対策、アフリカ自由貿易協定の進捗が議題になった。
2019.09.29

アブーゲイト・アラブ連盟事務総長は、DMCの夜の番組に出演し、GERD建設について以下の点を述べた。*このダム建設問題に関するエチオピアの対応にエジプトは満足しておらず、障害が多々ある。今後何をするかはエジプト政府が決める。国際社会、あるいは影響力を持ち外国に支援する国に持ち掛けるのか。あるいは、国際法、国連、安保理という手段もある。*とれる選択肢は多くある。エジプトはエチオピアと合意に達しようとしていたと見える。シーシー大統領の発言は以下の点で明らかだ。1月の革命で起きたことによって、エチオピアはダムの建設に動き、当時のエジプト政府高官は何もしなかったのだ。

2019.09.30

ハルツ―ムで、国民技術委員会の会合が行われた。3カ国首脳の指示の下で同委員会が結成された。

2019年10月08日