ハルツームで3カ国の水資源相級会合が行われた。結果は出ず、エジプトは交渉が袋小路に入ったと発表した。
この会合を受けて5日、エジプト大統領府は声明を出し、米国がGERD建設交渉において実質的な役割を果たすことを待ち望んでいる旨、発表した。
ハルツームで行われた3カ国水資源相級会合を受けて、エチオピア外務省は、エジプト政府がGERD貯水を4年から7年で行うことに反対したと述べ、これはダムの環境・社会評価のプロセスを遅らせるサボタージュだと述べた。さらに、自国政府が、過去の協定で定められた割り当て水量を直接的、被直接的にも認めることのない立場を取っていくと述べた。
シーシー大統領は、自国が水利権を護る手段として国際王の規定に基づき、政治レベルで必要な措置を取る、エジプト国家とそのすべての機関は、ナイル川におけるエジプトの水利権を護ることを義務としていると述べた。同日、同国の水資源・灌漑省は、GERD建設交渉は、エチオピア側の過激な対応、およびエジプトの水利権を護る提案をすべて虚偽したことから、袋小路に入ったと発表した。
ホワイトハウスは声明の中で、米国政府がGERDの稼働と貯水に関して相互の利益を保証する持続的な協力合意に至るための現在の交渉を支援すると述べた。これに対し、エチオピアのビケレ水資源相は、エジプトが要求する仲介に関する協議は拒否すると発表した。
エチオピアのアフマド首相は、エチオピアがナイル川流域諸国間の協議を通じて、GERDをめぐる対立や懸念を解消する準備があり、自国が流域諸国11カ国のナイル川の水を利用する権利を認めており、その基礎は公正な利用の原則と甚大な被害をもたらさないことにあると述べた。
2019.10.06
エジプトの水資源・灌漑省のスバーイー報道官は、GERD建設交渉が袋小路に入ってしまったと述べた。また、エジプト政府が2015年の原則宣言第10条(3カ国間の仲介役として国際的な4人目の当事者に仲介を求める)を適用することを要求していると発表した。3カ国の利益を守る均衡の取れた合意のためだという。
*同報道官は、原則宣言が交わされたにも関わらず、エチオピア側は4年の間、交渉で頑なな態度であったと述べたほか、3カ国の水資源省、外務省、情報機関による取り組みや、コンサルタント会社の報告をエチオピアが無視してきたと述べた。
さらに、エジプトの水資源・灌漑省は、10月5日に終了したエチオピア、スーダンとの会合に関して、エチオピア側は、ダムの操業規則については協議を拒否し、貯水期間と貯水期間中のダムの操業規則について協議しようとしていた、これは2015年の原則宣言第5条に反すると述べた。エジプトは同宣言の第10条に基づいて、仲介を要求しているだけだと述べた。
2019.10.06
シーシー政権を批判し、国内のデモを扇動したビジネスマンのムハンマド・アリーは、ユーチューブに動画を投降し、その中で、2015年の原則宣言を交わしたシーシー大統領は、ナイル川の水に科るエジプトの歴史的な割り当て水量を諦め、エジプト人に損害をもたらした。彼こそが、ナイルの水不足の責任を負っており、物価の高騰、行政の腐敗、経済の破壊の原因だと述べた。
2019.10.06
シーシー大統領は、10月戦争46周年に際して演説した。アハラーム紙は、この演説に関して、エジプト人民が嘘のねつ造、ねつ造者、そして人民の国家に対する虚偽の多さにうんざりしていると発言した箇所を演説分の冒頭に添えた。大統領は、イスラエルについては言及しなかった。
要旨:エジプトはこの戦争において軍事的な勝利を収めたと述べ。かの日、すべての人民は軍を背に連帯し、全人民が軍となり、この激戦を乗り越えたのである。*この国の命運は、高い波にさらされている。そのほとんどは、他所から来たものだ。しかし国家は、エジプト人民との連帯と強固さを前に、その波に永遠に耐え続け、人民との連帯は、エジプトの土地、そして軍と密につながっているのである。軍こそが国土を守り、人民を保護し、国の尊厳を守っていくのだ。*ここ数十年の間に、戦争の形式、手段が変わった。人民というソフトターゲットを狙う者から、国民を自宅内で狙うものがある。近代的なメディアとSNSを通じたものもある。これらは、狼狽や分裂を狙った攻撃であり、恐怖とテロリズムを流布し、国家を敵であるかのようにイメージさせ、国民と国家機関の間の信頼の破壊を目論むものである。*そして、戦争を仕掛けているはずの海外の諸勢力は、保護者のようにふるまうのであり。こうしたねつ造、嘘、噂に依存する戦争における勝利は、国民一人一人の意識、そしてその諸概念、思想にかかっている。
エジプト代議員のアフリカ担当委員会は声明を出し、議会が情勢激化を決意すると発表した。その手段として、駐エジプト・エチオピア大使を議会に呼び出してエジプトの懸念を伝える、エチオピアが国際法に違反していることを他国の議会に通達する、地域・国際的な団体や人権諸団体に苦情を提出する等を挙げた。