シリアにおける米国の軍事介入と部隊駐留の変遷(2011~2021年)

CMEPS-J Report No. 65(2022年9月1日作成)

青山 弘之(東京外国語大学・教授)

*本稿は『国際情勢』第92号(2022年3月、pp. 97-119)所収論文を再録したものです。

目次

1 軍事介入への消極姿勢(2011~2014年)
2 「穏健な反体制派」支援(2015年1月~10月)
3 新シリア軍:55キロ地帯の確保(2016年3月~2017年10月)
4 PYD支援とユーフラテス川以東地域への派兵(2014年10月~2019年10月)
5 トランプ大統領の撤退決定(およびその撤回)に伴う再展開(2019年10月~2020年末)
6 頻発する米軍への攻撃(2021年)
7 基地概要一覧(資料)

参考文献

米国のジョー・バイデン政権は2021年8月31日、20年間にわたってアフガニスタンに派遣していた部隊の撤退完了を宣言した。また同年12月9日には、米国防総省報道官が約2,500人からなる部隊のイラクにおける駐留を維持しつつ、同国での戦闘任務を終了したと発表した。これに対し、シリア駐留部隊をめぐっては、今のところ撤退や規模縮小に向けた動きは見られない。

本論は、シリア内戦発生以降の米国のシリアへの軍事介入と部隊駐留の経緯と変遷を、公開情報をもとに明らかにする。

1 軍事介入への消極姿勢(2011~2014年)

米国は、2011年3月に「アラブの春」がシリアに波及すると、人道に基づいてシリア政府による抗議デモ弾圧を厳しく非難し、その正統性を否定、退陣を迫った。バラク・オバマ政権は、西欧諸国、アラブ湾岸諸国、トルコとともにシリアに経済制裁を科し、政府の弱体化を狙うとともに、反体制活動家や政治組織、さらには武装集団を支援した。中央情報局(CIA)は2013年初め頃から、英国、フランス、ヨルダン、サウジアラビアの軍・諜報機関とともに「軍事作戦司令部」(Military Operations Command:通称MOC)を創設し、ヨルダン国内で反体制派に極秘軍事教練を行う一方、国内(ダルアー県、イドリブ県、アレッポ県)で活動する南部軍、イッザ軍、ナスル軍、ヌールッディーン・ザンキー運動といった武装集団を後援した[1]

だが、イラクからの部隊撤退(2011年2月)を敢行したばかりのオバマ政権は、シリア政府を瓦解させるような直接的な軍事行動に訴えることはなかった。反体制派は、「保護する責任」を根拠とした欧州連合(EU)によるリビアへの軍事介入に倣って、シリアでも軍事力を行使し、体制転換を行うよう訴えたものの、米国がこれに応じることはなかった。

米国の軍事介入への消極姿勢は、2013年8月にダマスカス郊外県グータ地方で化学兵器攻撃疑惑事件が発生した時の対応にも示されていた。米国は、英国、フランスとともに、シリアへの軍事介入を画策したが、その目的は、体制打倒や民主化ではなく、化学兵器使用への懲罰に矮小化された。しかも、シリア政府がロシアの後押しのもと、化学兵器の保有(使用ではない)を認め、化学兵器禁止条約(CWC)に加盟すると、米国は攻撃そのものを中止した。

2 「穏健な反体制派」支援(2015年1月~10月)

イスラーム国の台頭は、米国の消極姿勢に変化をもたらした。2014年6月に、シリアとイラクで支配地を拡大したイスラーム国がカリフ制の樹立を宣言すると、米国は同年8月に有志連合(正式名は「生来の決意」作戦合同任務部隊(CJTF-OIR(Combined Joint Task Force – Operation Inherent Resolve))を結成し、「テロとの戦い」を主導した。

米国の軍事介入は当初は航空作戦に限定され、地上での戦闘は「協力部隊」(partner forces)が担った。イラクでは、イラク軍・治安部隊、ペシュメルガ(イラク・クルディスタン地域政府傘下の民兵)が有志連合の航空支援を受けた。一方、2014年9月に爆撃が開始されたシリアでは、頼ることができる有力な武装勢力は存在しなかった。同地では、シリア軍がロシアやイランとともに「テロとの戦い」を推し進めていたが、シリア政府の正統性を否定する米国がこれらと連携できるはずもなかった。国内で活動する反体制武装集団も、その多くがシャームの民のヌスラ戦線(現在のシャーム解放機構)をはじめとするアル=カーイダ系組織、さらにはイスラーム国との合従連衡を躊躇しなかったため、共闘することはできなかった。

事態に対処するため、米国は「協力部隊」の育成をめざした。これは「穏健な反体制派」(moderate opposition)支援というかたちをとった。「穏健な反体制派」とは、「自由」や「尊厳」を掲げて体制打倒と「シリア革命」の成就をめざし、欧米諸国に親和的な武装集団(そして活動家、政治組織)を指していた。アル=カーイダ系組織を含むイスラーム過激派が反体制派を主導するなか、「穏健な反体制派」は実体を欠いていたが、米国は、イスラーム国が台頭するなかで、この言葉を「テロとの戦い」における「協力部隊」という意味で用い、実際に支援を行っていった。

だが、その前途は多難だった。米国防総省は2015年1月、3年間で「穏健な反体制派」15,000人をトルコなどの周辺国で教練すると発表し、5億米ドルの予算を確保した。しかし、教練の対象となる志願者の人選は延々として進まず、しかも米軍のスクリーニングを通過した教練生の多くが、途中でリタイアし、逃亡した。シリア軍と戦闘しない旨を誓約するよう米国に迫られ、教練を拒否した者もいた。教練プログラムを修了したシリア人の正確な数は公表されなかったが、国防総省報道官が6月に述べたところによると、100~200人に過ぎなかった。

それだけではなかった。教練後に部隊として編成された「穏健な反体制派」は、イスラーム国と対峙する以前に幾多の困難に直面した。彼らは「第30歩兵師団」を名のり、2015年7月に一次隊がトルコからシリア北西部(アレッポ県アアザーズ市一帯)の反体制派支配地に入った。だが、有志連合が航空支援の一環として同地を爆撃すると、ヌスラ戦線はその報復として第30歩兵師団を襲撃、司令官らを拉致し、武器弾薬を奪った。また、9月下旬にシリア入りした二次隊も、入国直後に身の安全を確保するという理由で、ヌスラ戦線に武器弾薬を譲渡し、メンバーは逃亡した。こうした事態を前に、国防総省は10月、教練プログラムが「重大な欠陥」を有していたと認め、廃止を決定した。

3 新シリア軍:55キロ地帯の確保(2016年3月~2017年10月)

だが、米国はほどなくヨルダンで「穏健な反体制派」への教練を再開し、2015年11月、「新シリア軍」の名で新たな武装組織を編成、2016年3月にイラクとヨルダンとの国境に近いシリア南東部に派遣した。新シリア軍は、ヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動といったアル=カーイダ系組織と共闘関係にあったアサーラ・ワ・タンミヤ戦線、殉教者アフマド・アブドゥー軍団といった集団からなっていた(青山[2016])。

シリア南東部では、2015年3月22日にイスラーム国がタンフ国境通行所をシリア政府から奪取していた。新シリア軍は、有志連合とともにヨルダンからシリア領内に進攻し、2016年3月5日にこれを制圧した。制圧されたタンフ国境通行所には、米軍が基地を設置し、部隊を常駐させた。その数は200人とされた(Mitchell[2019])。米軍はまた、タンフ国境通行所の北東に位置するザクフ地区にも前哨地を設置した(al-Ḥāmid[2017])。さらに、2016年5月には、英軍が同地に技術者など約50人からなる部隊を派遣した(Aljazeera.net[2016])。

なお、新シリア軍は2016年8月にアサーラ・ワ・タンミヤ戦線が支援国との「方針の違い」を理由に組織を離反したことで瓦解した。だが、その後も、殉教者アフマド・アブドゥー軍団や、革命特殊任務軍、カルヤタイン殉教者、東部獅子軍といった組織がタンフ国境通行所の基地を利用し、同地のキャンプで米英軍の教練を受けた(Tasnim News Agency[2016])。

タンフ国境通行所一帯は、2017年半ばにシリア軍と「イランの民兵」が進攻を試みたが、米軍がその車列や拠点に爆撃を加えて阻止した。「イランの民兵」とは、シーア派宗徒とその居住地や聖地を防衛するとして、イランの支援を受けてシリアに集結し、シリア・ロシア両軍と共闘した外国人(非シリア人)民兵の総称である。イラン・イスラーム革命防衛隊、その精鋭部隊であるゴドス軍団、レバノンのヒズブッラー、イラクの人民動員隊、アフガニスタン人民兵組織のファーティミーユーン旅団、パキスタン人民兵組織のザイナビーユーン旅団などがこれに含まれる[2]

ヨルダン国境は2017年10月までにおおむねシリア政府が支配を回復するところとなった。だが、米国は、タンフ国境通行所から半径55キロの地域が、領空でのロシアとの偶発的衝突を回避するために2015年10月に両国が設置に合意した「非紛争地帯」(de-confliction zone)に含まれると主張、占領を続けた。タンフ国境通行所、ルクバーン・キャンプを含むこの地域は以降、「55キロ地帯」(55km zone)と呼ばれるようになった。

4 PYD支援とユーフラテス川以東地域への派兵(2014年10月~2019年10月)

「非紛争地帯」はそもそも米国とロシアがイスラーム国に対するそれぞれの「テロとの戦い」の作戦実行地域を画定するために設置された。その境界となったがユーフラテス川であり、ロシアは、シリア政府、イランとともにその西岸で、有志連合は東岸(いわゆるジャズィーラ地方)でイスラーム国の掃討を進めた。

「55キロ地帯」を確保するにあたって、米国は新シリア軍、そしてその後継組織を育成することに成功した。これに対して、ユーフラテス川以東地域においては、反体制派ではなく、トルコが「分離主義テロリスト」(ayrılıkçılar teröristler)とみなすクルド民族主義組織の民主統一党(Partiya Yekîtiya Demokrat、PYD)を支援し、「協力部隊」としていった。

PYDは、武力による体制転換をめざす反体制派と一線を画し、政治プロセスを通じた体制転換をめざす一方、反体制派、とりわけイスラーム過激派と鋭く対立していた。シリア内戦が混迷を深めるなかで、シリア政府がトルコ国境地帯から軍・治安部隊を戦略的に撤退させたると、PYDは武装部隊の人民防衛隊(Yekîneyên Parastina Gel、YPG)を展開させ、同地を実効支配し、2014年1月に暫定自治政体の西クルディスタン移行期民政局(通称ロジャヴァ)を設立した。そして、その支配地に勢力を拡大しようとしたイスラーム国だけでなく、反体制派とも激しく対立した。なお、ロジャヴァは2018年9月に恒久自治政体の北・東シリア自治局に発展解消し、現在に至っている。

PYD(YPG)とイスラーム国の対立は当初は後者が優勢だった。ロジャヴァの支配地を侵食していったイスラーム国は2014年9月、その拠点都市の一つであるアレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市を包囲した。これを受けて米国は10月にYPGへの支援を開始した(Markaz Harmūn li-Dirāsāt al-Muʻāṣira[2018:10])。コバネ包囲戦と呼ばれる戦闘は、米国の支援もあいまって、2015年1月にYPGの勝利で終わった。

2015年10月、米国の肝入りで、YPGを主体とする武装連合体のシリア民主軍が結成されると、米国の支援は拡大した。兵站支援に加えて、同月に米軍は特殊部隊の非戦闘員(技術者)50人を派遣した[3]。これがシリアにおける米軍部隊駐留の始まりとなった。

米国は駐留規模を拡大し、2016年末までには10カ所に基地を設置、特殊部隊の軍事教練技術者、顧問、爆発物処理班、兵士ら約500人を駐留させるにいたった。10カ所とは以下の通りである(Alalam[2016]、ʻAssāf[2016]、al-Ḥāmid[2017]、Markaz Harmūn li-Dirāsāt al-Muʻāṣira[2018:9-14, 17]、Tasnim News Agency[2016]、地図1)。

      • ハサカ県(5カ所):ジャブサ油田、シャッダーディー市、タッル・バイダル村、マブルーカ村、ルマイラーン空港。
      • アレッポ県(3カ所):アイン・アラブ(コバネ)市、ミシュターヌール丘、ラファージュ・セメント工場。
      • ラッカ県(2カ所):第93旅団基地、タッル・アブヤド市。

地図1 2016年後半の米軍基地

(出所)筆者作成。

2017年から2018年にかけてシリア民主軍がイスラーム国との戦いで支配地を拡大すると、米軍は駐留規模をさらに拡大した。兵力は2017年3月までには900人強、シリア民主軍がラッカ市を包囲した2017年6月までには1,000人以上に増大、2018年には米軍兵士約2,000人、海兵隊員約850人、レンジャー部隊約250人が以下の32カ所の基地、前哨地、監視ポストに展開するに至った(Sputnik News Arabic[2017]、al-Ḥāmid[2017]、Markaz Harmūn li-Dirāsāt al-Muʻāṣira[2018:9]、Sham[2017]、Temizer, Tok and Koparan[2018]、Turkpress[2018]、Zontur and Aliyev[2019]、地図2)。

      • ハサカ県(11カ所):サバーフ・ハイル村、ジャムアーヤ村、シャーラト・タッル・ムーサー村、タッル・アルカム村、タッル・シャーイル村、タッル・タムル町、タッル・ヒンズィール村、ハイムー村、ハサカ市グワイラーン地区、フール町、ルーバールヤー空港。
      • アレッポ県(5カ所):サブト村、アイン・ダーダート村、アウシャリーヤ村、サイーディーヤ村、アスィーリーヤ村。
      • ラッカ県(4カ所):ジャズラ村、タッル・サマン村、タブカ市、ラッカ市。
      • ダイル・ザウル県(2カ所):ウマル油田、ハジーン市近郊。

地図2 2018年末の米軍基地

(出所)筆者作成。

5 トランプ大統領の撤退決定(およびその撤回)に伴う再展開(2019年10月~2020年末)

イスラーム国に対する「テロとの戦い」が2017年末までにほぼ決着すると、ドナルド・トランプ大統領はシリアからの部隊撤退の意思を示すようになった。そして、2018年12月と2019年10月の2度にわたって米軍の撤退を決定、2度にわたってこれを撤回した。

1度目の撤退決定は、2018年12月19日に政権内の反対意見を押し切るかたちで行われた[4]。だが、この決定は、撤退の日程や部隊の撤退先をめぐる調整が進められる過程で、徐々に語気が薄められていった。そして2019年2月22日、トランプ大統領が「方針は覆していない(中略)。だが、我々は、北大西洋条約機構(NATO)の部隊であれ何であれ、他国の部隊とともに小規模な部隊を残すことはできる」(The New York Times[2019a])と発言したことで、事実上撤回された。そのため、米軍部隊の駐留状況に変化は生じなかった。

これに対して、2度目の撤退決定とその撤回は、大きな変化をもたらした。トランプ大統領は2019年10月6日、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との電話会談で、シリア北東部でのトルコの軍事作戦に異義を唱えつつも、ホワイト・ハウスが言うところの「隣接地域」(immediate area)から駐留部隊を撤退させることに同意した。これを受けて、米軍は撤退を開始する一方、トルコ軍は10月9日に「平和の泉」作戦を発動し、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯とハサカ県ラアス・アイン市一帯に侵攻し、これを占領した。

米軍が「平和の泉」作戦発動に先立って撤退したのは以下21の基地である(Jumayda[2020]、Jusūr li-l-Dirāsāt[2020]、Maṭar[2021]、RT Arabic[2019]、地図3)。

      • ハサカ県(7カ所):ジャブサ油田、ジャムアーヤ村、タッル・アルカム村、シャーラト・タッル・ムーサー村、タッル・タムル町、タッル・ヒンズィール村、マブルーカ村。
      • アレッポ県(8カ所):アイン・アラブ(コバネ)市、アイン・ダーダート村、アウシャリーヤ村、アスィーリーヤ村、サイーディーヤ村、サブト村、ミシュターヌール丘、ラファージュ・セメント工場。
      • ラッカ県(6カ所):ジャズラ村、第93旅団基地、タッル・アブヤド市、タッル・サマン村、タブカ市、ラッカ市。

地図3 2019年11月の米軍基地

(出所)筆者作成。

このうち、ジャブサ油田、タッル・タムル町、ラファージュ・セメント工場、ジャズラ村、ラッカ市は、米軍撤退後はシリア民主軍が駐留した。

しかし、撤退は部分的なものにとどまった。国防総省の匿名高官は2019年10月14日、約150人の兵士を残留させることを決定したと明かした(The New York Times[2019b])。また10月21日、トランプ大統領は「一定数の米軍部隊を、これまでとはまったく異なった場所、ヨルダンやイスラエルの国境近くに展開させることになる(中略)。また、別の部隊も駐留させ、石油の防衛にあたる」(The White House[2019])との新たな方針を示した。

これに従い、米軍は2019年11月から2020年2月にかけて以下14カ所に新たな基地を設置した(Anadolu Ajansı[2020]、Zontur and Aliyev[2019]、Jusūr li-l-Dirāsāt[2020]、地図4)。

      • ハサカ県(6カ所):カスラク村、カフターニーヤ市、ジャブサ油田、タッル・ブラーク町近郊の油田地帯、ハッラーブ・ジール村、ライフ・ストーン複合施設。
      • ダイル・ザウル県(7カ所):(下)カムシャ油田、ジャフラ油田、スーサ村、タナク油田、バーグーズ村、ルワイシド村、CONOCOガス田。
      • ラッカ県(1カ所):ジャズラ村。

地図4 2021年の米軍基地

(出所)筆者作成。

これにより、米軍基地は27カ所(ハサカ県15カ所、ダイル・ザウル県9カ所、ラッカ県1カ所、ヒムス県2カ所)となった[5]。シリアに残留・再展開した米軍部隊の規模は定かではない。マーク・エスパー国防長官は2019年12月4日、600人が駐留していると発表した 。だが、米国務省シリア問題担当特使を務めてきたジェームズ・ジェフリーは2020年11月12日、トランプ政権に対してシリア駐留部隊の数を実際よりも少なく報告していたと暴露した(Williams[2020]、Zontur and Aliyev[2019])。実際には、900~1,500人(Jumayda[2020])、あるいは3,000人(Maṭar[2021])が展開していると見られている。

6 頻発する米軍への攻撃(2021年)

バイデン政権が発足すると、駐留米軍を狙った攻撃がたびたび報告されるようになった。これを誘発したのは、米軍の「イランの民兵」に対する爆撃だった。

バイデン政権は2021年2月25日(現地時間26日)、イラク国内での米軍施設が攻撃を受けたことへの対抗措置として、「イランの民兵」がダイル・ザウル県南東部に設置した「イマーム・アリー基地」に対して、政権発足後初となる爆撃を行い、人民動員隊(ヒズブッラー大隊、サイイド・シュハダー大隊)のメンバー20人以上を殺害した。また4月28日未明から29日には、有志連合(ないしはイスラエル軍)所属と思われる無人航空機(ドローン)がイラク国境に近いダイル・ザウル県南東部のスィヤール村(ブーカマール市北西)を爆撃し、ファーティミーユーン旅団の司令官らを殺害した。さらに、6月27日深夜から28日未明にかけて、米軍の戦闘機複数機がダイル・ザウル県南東部(およびイラク領内)の「イランの民兵」の拠点やイラン・イスラーム革命防衛隊のドローン発着用基地に対して爆撃を実施し、人民動員隊9人を殺害、武器弾圧庫1棟、軍事拠点1カ所を破壊した(青山[2021a]、青山[2021b]、青山[2021c])。

こうした爆撃に報復するかたちで、2021年には以下のような攻撃(そして攻撃と思われる事案)が繰り返された。

      • 3月23日:CONOCOガス田の米軍基地に対して何者かが攻撃を行い、ガス田近くに迫撃砲弾1発が着弾した(al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021a]、SANA[2021a])。
      • 4月20日:ウマル油田近くで、兵站物資を輸送する有志連合とシリア民主軍の車列の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発した(al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021b])。
      • 6月28日:前日深夜から同時未明にかけてのシリア、イラク領内の爆撃への報復として、ウマル油田の米軍基地に砲弾8発あまりが撃ち込まれ、車輌複数台が炎上するなど物的被害が出た。攻撃はマヤーディーン市近郊に設置されているイラク人民動員隊所属のアブー・ファドル・アッバース旅団の拠点から発射されたとされた。この砲撃を受けて、ウマル油田の労働者住宅地区に展開する有志連合の部隊が、マヤーディーン市にある「イランの民兵」の拠点に対して砲撃を行った。また、シュハイル村に展開するシリア民主軍が、ユーフラテス川西岸のバクラス村にあるシリア軍の拠点複数カ所に向けて砲撃を行った(青山[2021c]、al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021c]、SANA[2021b])。
      • 7月4日:ウマル油田の米軍基地が何者かの砲撃を受け、迫撃砲弾2発が着弾した。「イランの民兵」の関与が疑われた(青山[2021d]、ANHA[2021]、al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021e])。
      • 7月7日:ウマル油田の米軍基地が所属不明のドローンの攻撃を受け、複数の煙柱が立ち上がった(青山[2021d]、al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021f]、SANA[2021c])。
      • 8月31日:CONOCOガス田の米軍基地に迫撃砲弾複数が着弾した。砲弾はシリア政府の支配下にあるフシャーム町から発射され、着弾地点から炎が上がるのが目撃された(al-Durār al-Shāmīya[2021]、al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021g]、SANA[2021d])。
      • 9月9日:シャッダーディー市の米軍基地一帯に迫撃砲弾2発が撃ち込まれた(al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021h])。
      • 10月20日:タンフ国境通行所の米軍基地が所属不明のドローンの攻撃を受け、基地内の食堂施設、モスク、食糧庫が狙われた(青山[2021e]、Griffin,and Singma[2021]、SANA[2021e])。攻撃は「イランの民兵」によるものと考えられた(AP, October 26, 2021、Fox News, October 26, 2021、Fars, October 22, 2021、’Ahd, October 22, 2021)。
      • 10月31日: CONOCOガス田の米軍基地がロケット弾攻撃を受け、基地内の施設で4回の爆発音が確認された(Tasnim News Agency[2021])。
      • 11月18~19日:タンフ国境通行所の米軍基地が所属不明のドローンの攻撃を受け、基地内の食堂施設、食糧庫が狙われた。攻撃は「イランの民兵」によるものと考えられた(Arabi21[2021])。
      • 11月23日:ハッラーブ・ジール村の航空基地に向かって何者かがロケット弾5発を発射した。これに関して、国防総省報道官は攻撃の事実を否定した(SANA[2021f]、TACC[2021])。
      • 11月24日:タンフ国境通行所の基地に駐留する米軍部隊が基地西方に向かって長距離ミサイル4発を発射した。標的、着弾地点は不明(al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021i])。
      • 12月1日:ルーバールヤー空港に兵站物資を移送中の米軍の車列が、ティグリス川河畔のスィーマルカー国境通行所近くの街道を通過するのに合わせて、仕掛けられていた爆弾が爆発し、車輌2輌が炎上した(SANA[2021g])。
      • 12月4日:CONOCOガス田一帯に迫撃砲弾4発が撃ち込まれ、複数の米軍兵士が負傷した。砲弾は政府支配地から発射され、基地周辺の地雷原に着弾した(al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021j])。
      • 12月5日:タンフ国境通行所の基地内で複数回の爆発が発生した。これに関して、有志連合報道官は爆発が不発弾の撤去によるものだと説明した(SANA[2021h]、RT Arabic[2021])。
      • 12月13日:ウマル油田の米軍基地に迫撃砲弾複数発が着弾し、4回の爆発が発生した(Sputnik News Arabic[2021])。
      • 12月16日:55キロ地帯に所属不明のドローン2機が飛来し、米軍が同地帯奥地まで進入し、敵意を示した1機を撃破した(Fox News[2021])。
      • 12月21日:55キロ地帯で4回の爆発が発生した。爆発の際、米軍ヘリコプター複数機が上空を飛来しており、地雷の爆発、米軍の演習での爆発、あるいは基地に対する何らかの攻撃の可能性があると考えられた(al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021k])。
      • 12月31日:CONOCOガス田に政府支配地から発射された迫撃砲弾2発が着弾した。これに対して、有志連合は迫撃砲弾が発射された政府支配地に向けて砲弾複数発を撃ち込み応戦した(al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2021l])。

米軍のシリア駐留は、イスラーム国に対する「テロとの戦い」を根拠として開始され、後に「石油の防衛」が強調されるようになった。シリアの石油は、南東部の油田地帯を掌握していたイスラーム国にとっての主要な資金源だった。それゆえ、油田地帯への駐留は、イスラーム国の再台頭を阻止することが目的とされた。だが、2021年以降の米軍による「イランの民兵」への度重なる爆撃と、その報復として行われる「イランの民兵」による米軍基地や車列への攻撃は、こうした米軍駐留の根拠が、イスラーム国から、イラン、そして「イランの民兵」の勢力伸長阻止にシフトしていることを示している。

7 基地概要一覧(資料)

以下は2015年10月以降に米軍がハサカ県、アレッポ県、ラッカ県、ダイル・ザウル県、ヒムス県に設置(一部は再展開、撤退)した基地の一覧(50音順)である(Alalam[2016]、Anadolu Ajansı[2018b]、ʻAssāf[2016]、Dellal[2019]、al-Ḥāmid[2017]、Jumayda[2020]、Jusūr li-l-Dirāsāt[2020]、Markaz Harmūn li-Dirāsāt al-Muʻāṣira[2018:9-14, 17]、Maṭar[2021]、RT Arabic[2019]、Sham[2017]、Sputnik News[2017]、Tasnim News Agency[2016]、Temizer, Tok and Koparan[2018]、Tok, Mistoand Temizer[2017]、Turkpress[2018]、Zakariyā[2018])。

ハサカ県

    1. カスラク村:2019年11月以降に設置。旧地元ラジオ局ビルを転用。タッル・バイダル村の基地の連携拠点。
    2. カフターニーヤ市:2019年11月以降に設置。
    3. サバーフ・ハイル村:2017年半ば頃までに設置。サバーフ・ハイル村近郊の穀物サイロを転用。ヘリポート、捕捉したイスラーム国メンバーを収容するための拘置所が併設されている。米軍兵士約50人が駐留。シリア民主軍の教練を主たる任務とする。
    4. シャッダーディー市:2016年半ば頃までに設置。ジャブサ油田の前哨地と合わせて米軍特殊部隊約150人から350人が駐留。ヘリポート、捕捉したイスラーム国メンバーを収容するための拘置所が併設されているほか、2017年にはドローンが離着陸可能な空港が増設された。
    5. ジャブサ油田:2016年半ば頃までに設置。シャッダーディー市の前哨地。移動式の居住施設、プレハブ住宅からなる。米軍兵士(特殊部隊)が駐留。2019年10月に撤退、その後はシリア民主軍が駐留し、11月以降、米軍も再駐留した。
    6. ジャムアーヤ村:2018年半ば頃までに設置。カーミシュリー市東の入口に位置する。2019年10月に撤退。
    7. シャーラト・タッル・ムーサー村:2018年半ば頃までに設置された国境監視ポスト。2019年10月に撤退。
    8. タッル・アルカム村:2018年半ば頃までに設置された国境監視ポスト。2019年10月に撤退。
    9. タッル・シャーイル村:2018年半ば頃までに設置。
    10. タッル・タムル町:2017年半ば頃までに設置。2019年10月に撤退、その後はシリア民主軍が駐留した。
    11. タッル・バイダル村:2016年半ば頃までに設置。米軍兵士約200人(うち特殊部隊約100人)、フランス軍約70人が駐留。ヘリポートとロジャヴァ/北・東シリア自治局の非軍事組織(警察治安部隊、消防隊など)の教練キャンプが併設されている。
    12. タッル・ヒンズィール村:2018年半ば頃までに設置された国境監視ポスト。2019年10月に撤退。
    13. タッル・ブラーク町:2019年11月以降に設置。近郊の油田地帯に基地が設置されている。
    14. ハイムー村:2018年半ば頃までに設置。カーミシュリー市西の入口に位置する。2019年10月の再展開後に増強され、米軍兵士約350人が駐留。シリア民主軍緊急対応部隊(Hevalno Asayîşe Rojava、HAT)の教練キャンプが併設されている。
    15. ハサカ市グワイラーン地区:2018年半ば頃までに設置。隣接するスポーツ・シティには米軍兵士約150人が駐留。またグワイラーン地区の工業高校をイスラーム国メンバーを収容するための拘置所(通称グワイラーン刑務所)として転用している。
    16. ハッラーブ・ジール村:2019年11月以降に設置。
    17. フール町:2018年半ば頃までに設置。
    18. マブルーカ村:2016年半ば頃までに設置。移動式の居住施設、物資の貯蔵施設からなる。米軍特殊部隊45人が駐留。2019年10月に撤退。
    19. ライフ・ストーン複合施設:2019年11月以降に設置。バースィル・ダムの近くに位置するタッル・バイダル村基地の連携拠点。ヘリポートが併設され、ヘリコプター8機が配備されている。米軍兵士約50人が駐留。
    20. ルーバールヤー空港:2017年半ば頃までに設置。通称「ルマイラーン2」。ルーバールヤー村近郊の農業用空港を転用。ヘリポートを併設。2019年10月の最展開後に増強され、ドローン離着陸用の空港を完備、米空軍空挺隊など約150人が駐留するようになった。
    21. ルマイラーン空港:2015年10月に米軍が最初に建設した基地。ルマイラーン町近郊の農業用空港(アブー・ハジャル空港)を基地として転用。アサーイシュ(ロジャヴァ/北・東シリア自治局の治安部隊)が空港周辺の住民を強制退去させ敷地を確保した。米軍兵士約200人(その一部は近年に米国籍を取得したシリア人)が駐留、そのほとんどがアラビア語を解す。作戦司令室、ヘリポート、イラクやトルコでの逮捕者を収容する拘置所が併設されている。基地は継続的に拡張され、滑走路も全長1400メートルに延長、貨物機の離着陸が可能となった。ラファージュ・セメント工場から部隊が撤退した2019年10月以降は、駐留米軍最大の拠点となり、兵士約500人が駐留するようになった。

アレッポ県

    1. アイン・アラブ(コバネ)市:2016年半ば頃までに設置。米軍兵士・技術者300人以上に加えて、フランス軍とドイツ軍部隊が駐留。最大規模の基地で、住居区画のほか、C-130、C-17などの輸送機が離着陸可能な滑走路および関連施設、ヘリポート、シリア民主軍の教練キャンプが併設。2019年10月に撤退。
    2. アイン・ダーダート村:2017年半ば頃までに設置。米軍(特殊部隊)が駐留。シリア北部の「ユーフラテスの盾」地域との境界地帯、サジュール川沿いでの偵察を主な任務とした。2019年10月に撤退。
    3. アウシャリーヤ村:2017年半ば頃までに設置。米軍(海兵隊特殊部隊)が駐留、サジュール川沿いでの偵察を主な任務とした。2019年10月に撤退。
    4. アスィーリーヤ村:2018年半ば頃までに設置。2019年10月に撤退。
    5. サイーディーヤ村:2018年半ば頃までに設置。2019年10月に撤退。
    6. サブト村:2017年半ば頃までに設置。ミシュターヌール丘と同じくM4高速道路スィッリーン交差点の北に位置。米軍(空挺部隊)とフランス軍部隊が駐留し、アイン・イーサー市一帯に展開するPYDへの武器弾薬の供給、イスラーム国の無線・電話傍受、有志連合司令部との通信を主な任務とした。2019年10月に撤退。
    7. ミシュターヌール丘:2016年半ば頃までに設置。M4高速道路スィッリーン交差点の北に位置する。面積はラファージュ・セメント工場の基地と同程度。敷地80%は地元の農民から買収(拡張時には1ドゥーナムあたり5000米ドルで買収)、残りの敷地はPYDが無償提供した。米軍(特殊部隊)、フランス軍の特殊部隊が駐留。当初の任務は不明で、ジャラビーヤ基地から日帰りで訪れる米軍技術者5人が基地の運営を監督していたが、その後滑走路を建設・整備し、最新鋭の輸送機40機や戦闘爆撃機を配備した。2019年10月に撤退。
    8. ラファージュ・セメント工場:2016年3月に設置。ハッラーブ・ウシュク村およびジャラビーヤ村の近郊に位置する。ジャラビーヤ基地とも呼ばれた。面積は35平方キロ。工場の施設の一部を基地として転用。PYDが基地建設に必要な土地の70%を無償で提供、残りの30%は農地1ドゥーナム(当時の地価は100米ドル)を3,000米ドルで買収して地敷地を確保した。ヘリポート、シリア民主軍戦闘員の教練キャンプが併設され、当初は米軍兵士・技術者約45人が駐留、その後300人以上に増員され、駐留米軍最大の拠点となった。また、フランス軍兵士も駐留した。M4高速道路沿線、ティシュリーン・ダム、ユーフラテス川河畔、マンビジュ市一帯、アイン・アラブ市一帯、ラッカ市一帯の監視が主要な任務。2019年10月に撤退、その後はシリア民主軍が駐留した。

ラッカ県

    1. ジャズラ村:2018年半ば頃までに設置。2019年10月に撤退、その後はシリア民主軍が駐留したが、11月以降再駐留した。
    2. 第93旅団基地:2016年半ば頃までに設置。アイン・イーサー市南西に位置し、アイン・イーサー基地とも呼ばれた。米軍兵士100~200人、フランス軍特殊部隊75人が駐留。PYDの拠点への兵站支援を主な任務とした。2019年10月に撤退。
    3. タッル・アブヤド市:2016年半ば頃までに設置。シリア政府関連施設を転用。米軍兵士・技術者約200人が駐留。2018年半ばに国境に監視ポストが設置された。2019年10月に撤退。
    4. タッル・サマン村:2017年末頃までに設置。イスラーム国の有線・無線通信の傍受、有志連合司令部との通信を主な任務とした。2019年10月に撤退。
    5. タブカ市:2017年11月頃に設置。ヘリポートが併設。米軍兵士60人強、フランス軍、カナダ軍、オーストリア軍の兵士それぞれ10人強ずつ駐留。2019年10月に撤退。
    6. ラッカ市:2017年11月頃に設置。米軍兵士に加えて、フランス軍兵士30人も駐留。2019年10月に撤退。米軍撤退後はシリア民主軍が駐留。

ダイル・ザウル県

    1. ウマル油田:2018年半ば頃までに設置。シュハイル村南東に位置するダイル・ザウル県内最大の基地。ヘリポートが併設され、ヘリコプター12機が配備。兵員数は不明。
    2. カムシャ油田:2019年11月以降に設置。ハジーン市の北方に位置する。
    3. スーサ村:2019年11月以降に設置。
    4. ジャフラ油田:2019年11月以降に設置。フシャーム町の東方に位置する。
    5. タナク油田:2019年11月以降に設置。ハジーン市の東方に位置する。ヘリポートが併設し、ヘリコプター4機が配備。米軍兵士約50人が駐留。
    6. (下)バーグーズ村:2019年11月以降に設置。米軍兵士約25人が駐留。
    7. ハジーン市近郊:2018年半ば頃までに設置。
    8. ルワイシド村:2019年11月以降に設置。村内の国立病院を基地として転用。M2ブラッドレー歩兵戦闘車配備。
    9. CONOCOガス田:2019年11月以降に設置。フシャーム町の東方に位置する。米軍兵士約50人が駐留。

ヒムス県

    1. ザクフ地区:タンフ国境通行所の北東に設置されている前哨地。
    2. タンフ国境通行所:2015年3月に設置。米軍兵士約200人と英軍兵士約50人が駐留。殉教者アフマド・アブドゥー軍団、革命特殊任務軍などの拠点、これらの組織ための教練キャンプが併設されている。

[1]   MOCはトランプ政権がその廃止を決定する2017年8月まで活動を続けた(Barret[2017])。
[2]   「イランの民兵」は「シーア派民兵」と称されることもあるが、いずれも反体制派、欧米諸国、アラブ湾岸諸国、トルコによる蔑称である。シリア政府側においては、「同盟部隊」、あるいは「同盟者部隊」と呼ばれている。
[3]   米国は2015年10月末にはシリア領内に特殊部隊を展開させていることを認めた(Markaz Harmūn li-Dirāsāt al-Muʻāṣira[2018:11])。
[4]   この決定を受けて、ルマイラーン空港から車輌10輌、地雷処理を専門とする工兵師団、兵士150人が撤退したとの報告がなされた(al-Marṣad al-Sūrī li-Ḥuqūq al-Insān[2019])。
[5]   なお、Jusūr li-l-Dirāsāt[2021]は、米軍基地が2021年1月の時点で33カ所(内訳はハサカ県19、ダイル・ザウル県10、ラッカ県2、ダマスカス郊外県(ヒムス県の誤り)2件)あるとし、地図で場所を示した。だが、この地図にはそれぞれの基地が設置されている地名は記されていない。

参考文献

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―――    [2021b]“Tazāmunan maʻa Murūr Ratl li-“al-Taḥāluf al-Duwalī” .. Infijār ʻAbūwa Nāsifa qurba Ḥaql Nafṭī fī Dayr al-Zawr,” April 20 (https://www.syriahr.com/%d8%aa%d8%b2%d8%a7%d9%85%d9%86%d9%8b%d8%a7-%d9%85%d8%b9-%d9%85%d8%b1%d9%88%d8%b1-%d8%b1%d8%aa%d9%84-%d9%84%d9%80%d8%a7%d9%84%d8%aa%d8%ad%d8%a7%d9%84%d9%81-%d8%a7%d9%84%d8%af%d9%88%d9%84%d9%8a/434043/).
―――    [2021c]“Tazāmunan maʻa Taḥlīq Ṭāʼirāt “al-Taḥāluf al-Duwalī” .. Madfaʻīya-hā Taqṣif Madīna al-Mayādīn .. wa “QSD” Tuʻazziz Qūwāt-hā ʻalā Ṭūl Nahr al-Furāt wa Tastahdif Mawāqiʻ Qūwāt al-Niẓām,” Jun 28 (https://www.syriahr.com/%d8%aa%d8%b2%d8%a7%d9%85%d9%86%d9%8b%d8%a7-%d9%85%d8%b9-%d8%aa%d8%ad%d9%84%d9%8a%d9%82-%d8%b7%d8%a7%d8%a6%d8%b1%d8%a7%d8%aa-%d8%a7%d9%84%d8%aa%d8%ad%d8%a7%d9%84%d9%81-%d8%a7%d9%84%d8%af%d9%88%d9%84/441233/).
―――    [2021d]“Irtifāʻ Ḥaṣīla al-Qutlā fī al-Istihdāf al-Jawwī al-Amīrikī qurba al-Ḥudūd al-Sūrīya – al-ʻIrāqīya ilā 9 min Mīlīshiyā “al-Ḥashd al-Shaʻbī”,” June 29, (https://www.syriahr.com/%d8%a7%d8%b1%d8%aa%d9%81%d8%a7%d8%b9-%d8%ad%d8%b5%d9%8a%d9%84%d8%a9-%d8%a7%d9%84%d9%82%d8%aa%d9%84%d9%89-%d9%81%d9%8a-%d8%a7%d9%84%d8%a7%d8%b3%d8%aa%d9%87%d8%af%d8%a7%d9%81-%d8%a7%d9%84%d8%ac%d9%88/441258/).
―――    [2021e]“Infijārāt Tadwī fī Akbar Qāʻida ʻAskarīya li-Qūwāt “al-Taḥāluf al-Duwalī” fī Sūrīya”,  July 7 (https://www.syriahr.com/%d8%a7%d9%86%d9%81%d8%ac%d8%a7%d8%b1%d8%a7%d8%aa-%d8%aa%d8%af%d9%88%d9%8a-%d9%81%d9%8a-%d8%a3%d9%83%d8%a8%d8%b1-%d9%82%d8%a7%d8%b9%d8%af%d8%a9-%d8%b9%d8%b3%d9%83%d8%b1%d9%8a%d8%a9-%d9%84%d9%82%d9%88/441871/).
―――    [2021f]“Baʻda al-Hujūm al-Jawwī ʻalā Akbar Qāʻida la-hum fī Sūrīya .. al-Taḥāluf wa QSD Yudāhimūn Ākhir Minṭaqa muqābila Manāṭiq al-Nufūdh al-Īrānī Sharq al-Furāt,” July 7 (https://www.syriahr.com/%d8%a8%d8%b9%d8%af-%d8%a7%d9%84%d9%87%d8%ac%d9%88%d9%85-%d8%a7%d9%84%d8%ac%d9%88%d9%8a-%d8%b9%d9%84%d9%89-%d8%a3%d9%83%d8%a8%d8%b1-%d9%82%d8%a7%d8%b9%d8%af%d8%a9-%d9%84%d9%87%d9%85-%d9%81%d9%8a-%d8%b3/442017/).
―――    [2021g]“Qadhāʼif Ṣārūkhīya Tastahdif Muḥīṭ al-Qāʻida al-Amrīkīya fī Ḥaql Ghāz “CONOCO” bi-Rīf Dayr al-Zawr,2 August 31 (https://www.syriahr.com/%d9%82%d8%b0%d8%a7%d8%a6%d9%81-%d8%b5%d8%a7%d8%b1%d9%88%d8%ae%d9%8a%d8%a9-%d8%aa%d8%b3%d8%aa%d9%87%d8%af%d9%81-%d9%85%d8%ad%d9%8a%d8%b7-%d8%a7%d9%84%d9%82%d8%a7%d8%b9%d8%af%d8%a9-%d8%a7%d9%84%d8%a3/445983/).
―――    [2021h] “al-Qāfila al-Thāniya fī Aylūl .. “al-Taḥāluf al-Duwalī” Yastaqdim 30 Shāḥina ilā al-Qawāʻid al-ʻAskarīya fī Shamāl wa Sharq Sūrīya,” September 9 (https://www.syriahr.com/%d8%a7%d9%84%d9%82%d8%a7%d9%81%d9%84%d8%a9-%d8%a7%d9%84%d8%ab%d8%a7%d9%86%d9%8a%d8%a9-%d9%81%d9%8a-%d8%a3%d9%8a%d9%84%d9%88%d9%84-%d8%a7%d9%84%d8%aa%d8%ad%d8%a7%d9%84%d9%81-%d8%a7%d9%84%d8%af/446817/).
―――    [2021i] “Tazāmunan maʻa Taḥlīq Ṭayarān al-Taḥāluf al-Duwalī fī al-Ajwāʼ .. al-Qūwāt al-Amrīkīya al-Mutamarkiza fī Qāʻida al-Tanf Tuṭliq Arbaʻa Ṣawārīkh Baʻīda al-Mudā bi-Ittijāh al-Gharb min al-Qāʻida,” November 24 (https://www.syriahr.com/%d8%aa%d8%b2%d8%a7%d9%85%d9%86%d9%8b%d8%a7-%d9%85%d8%b9-%d8%aa%d8%ad%d9%84%d9%8a%d9%82-%d8%b7%d9%8a%d8%b1%d8%a7%d9%86-%d8%a7%d9%84%d8%aa%d8%ad%d8%a7%d9%84%d9%81-%d8%a7%d9%84%d8%af%d9%88%d9%84%d9%8a/458200/).
―――    [2021j] “4 Qadhāʼif Tastahdif Ḥaql Alghām fī Muḥīṭ Qāʻida li-“al-Taḥāluf al-Duwalī” fī Ḥaql “CONOCO” bi-Rīf Dayr al-Zawr,” December 4 (https://www.syriahr.com/4-%d9%82%d8%b0%d8%a7%d8%a6%d9%81-%d8%aa%d8%b3%d8%aa%d9%87%d8%af%d9%81-%d8%ad%d9%82%d9%84-%d8%a3%d9%84%d8%ba%d8%a7%d9%85-%d9%81%d9%8a-%d9%85%d8%ad%d9%8a%d8%b7-%d9%82%d8%a7%d8%b9%d8%af%d8%a9-%d9%84/459386/).
―――    [2021k]“Infijārāt Tadwī fī Minṭaqa Tawājud Qāʻida “al-Tanf” al-Tābiʻa li-“al-Taḥāluf al-Duwalī” fī al-Bādiya al-Sūrīya,” December 21 (https://www.syriahr.com/%d8%a7%d9%86%d9%81%d8%ac%d8%a7%d8%b1%d8%a7%d8%aa-%d8%aa%d8%af%d9%88%d9%8a-%d9%81%d9%8a-%d9%85%d9%86%d8%b7%d9%82%d8%a9-%d8%aa%d9%88%d8%a7%d8%ac%d8%af-%d9%82%d8%a7%d8%b9%d8%af%d8%a9-%d8%a7%d9%84%d8%aa/461507/).
―――    [2021l]“Infijārāt Tadwī Qurba Qāʻida ʻAskarīya li-“al-Taḥāluf al-Duwalī” fī Rīf Dayr al-Zawr .. wa al-Madfaʻīya Tarudd ʻalā Maṣādir al-Nīrān,” December 31 (https://www.syriahr.com/%d8%a7%d9%86%d9%81%d8%ac%d8%a7%d8%b1%d8%a7%d8%aa-%d8%aa%d8%af%d9%88%d9%8a-%d9%82%d8%b1%d8%a8-%d9%82%d8%a7%d8%b9%d8%af%d8%a9-%d8%b9%d8%b3%d9%83%d8%b1%d9%8a%d8%a9-%d9%84%d9%80%d8%a7%d9%84%d8%aa%d8%ad-2/464661/).
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―――    [2021] “Nafā Masʼūl fī al-Taḥāluf al-Duwalī An Takūn Qāʻida al-Tanf al-Amrīkīya Janūbī Sūriyā Qad Taʻarraḍat li-Ayy Hujūm al-Yawm al-Aḥad,” December 5 (https://arabic.rt.com/middle_east/1301196-%D8%A7%D9%84%D8%AA%D8%AD%D8%A7%D9%84%D9%81-%D8%A7%D9%84%D8%AF%D9%88%D9%84%D9%8A-%D9%8A%D9%86%D9%81%D9%8A-%D9%84%D9%80-rt-%D8%AA%D8%B9%D8%B1%D8%B6-%D9%82%D8%A7%D8%B9%D8%AF%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D8%AA%D9%86%D9%81-%D9%81%D9%8A-%D8%B3%D9%88%D8%B1%D9%8A%D8%A7-%D9%84%D8%A3%D9%8A-%D9%87%D8%AC%D9%88%D9%85/).
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