鈴木啓之
概要
(第1次)ムハンマド・アシュタイヤ内閣(第18代内閣)は、2019年1月29日にラーミー・ハムドゥッラー内閣(第15~17代内閣・2013年6月~2019年4月)が総辞職したことに伴い、マフムード・アッバース大統領による任命で2019年4月13日に成立した。前内閣(第17代内閣)から留任した閣僚は5人に留まり、ガザ地区と東エルサレムから複数の閣僚を迎えて、大幅な刷新が行われた。就任宣誓に際してアシュタイヤ首相は新内閣を「人民内閣」(Ḥukūma al-Shaʻb)と呼称し、ハマースとの党派和解を筆頭に、パレスチナ立法評議会(PA議会)選挙の実施、殉教者家族などへの支援、占領への対峙(スムード)の強化、エルサレムの防衛、経済振興、公共・民間部門などの連携を目標として掲げた。
閣僚
- 首相:ムハンマド・アシュタイヤ(Muḥammad Ashtayya) ファタハ
- 副首相:ズィヤード・アブー・アムル(Ziyād Abū ʻAmrū) 無所属
- 副首相:ナビール・アブー・ラディーナ(Nabīl Abū Radīna) ファタハ
- 閣議議長:アムジャド・ガーニム(Amjad Ghānim)
- 外務在外者担当大臣:リヤード・マーリキー(Riyāḍ al-Mālikī)
- 内務大臣:任命まで首相が兼任
- 運輸交通大臣:アースィム・サーリム(ʻĀṣim Sālim)
- 金融計画大臣:シュクリー・ビシャーラ(Shukrī Bishāra)
- 国家経済大臣:ハーリド・ウサイリー(Khālid al-ʻUsaylī)
- 労働大臣:ナスリー・アブー・ジャイシュ(Naṣrī Abū Jaysh)
- 地方行政大臣:マジュディー・サーリフ(Majdī al-Ṣāliḥ)
- 社会開発大臣:アフマド・マジュダラーニー(Aḥmad Majdalānī) パレスチナ人民闘争戦線
- 住宅公共施設大臣:ムハンマド・ズィヤーラ(Muḥammad Ziyāra)
- 観光文化財大臣:ローラー・マアーイア(Rūlā Maʻāyʻā)
- 文化大臣:アーティフ・アブー・サイフ(ʻĀṭif Abū Sayf) ファタハ
- 保健大臣:マイ・サーリム・キーラ(May Sālim al-Kīla)
- 教育大臣:マルワーン・アウラターニー(Marwān ʻAwratānī)
- 高等教育科学大臣:マフムード・アブー・ムワイス(Maḥmūd Abū Muwayis)
- ワクフ宗教関連大臣:任命まで首相が兼任
- 通信情報技術大臣:イスハーク・スィドゥル(Iṣḥāq Sidr)
- 法務大臣:ムハンマド・シャラールダ(Muḥammad al-Shalālda)
- 農業大臣:リヤード・アターリー(Riyāḍ al-ʻAṭārī) パレスチナ民主連合(FIDA)
- 情報大臣:ナビール・アブー・ラディーナ(副首相と兼任)
- 女性担当大臣:アーマール・ハマド(Āmāl Ḥamad) ファタハ
- リーダーシップ能力開発担当大臣:ウサーマ・サアダーウィー(Usāma al-Sa‘dāwī)
- エルサレム担当大臣:ファーディー・ハドゥミー(Fādī al-Hadmī)
出典
ʻAbd al-Hādī, Mahdī, ed. 2008. Filasṭīnīyūn. Jerusalem: PASSIA.
al-Ayyām, “al-Siyar al-Dhātīya l-Aʻḍā’ al-Ḥukūma al-Jadīda,” 13 Apr. 2019 (アクセス日:2019年4月14日).
al-Quds, “”Ḥukūma al-Shaʻb” tu’addī al-Yamīn al-Qānūnīya amāma al-Ra’īs,” 13 Apr. 2019 (アクセス日:2019年4月14日).
―――, “Naṣṣ Qirār al-Ra’īs Manaḥa al-Thiqa li-l-Ḥukūma al-Thāmina ʻAshra bi-Ri’āsa Ashtīya,” 13 Apr. 2019 (アクセス日:2019年4月14日).
注
所属政党・党派については、以下を基準として判断した。
a. ʻAbd al-Hādī [2008] に記載される政党または党派、およびその関連団体での役職経験の有無。
b. 着任報道での所属党派の表記。
c. 本人のWebサイト、またはパレスチナ内閣府Webページ掲載の個人プロフィールでの表記。
上記を参照の上で所属政党が不明の人物については、当該欄を空欄とした。
(2019年4月14日作成、2019年4月15日更新)