第3次フサイン・アルヌース内閣(2021年8月10日発足)

青山 弘之
木戸 皓平

バッシャール・アサド大統領は2021年8月1日に2021年政令第206号を発し、フサイン・アルヌース首相を再任し、組閣を命じた。組閣要請は2021年5月26日に投票が行われた大統領選挙でアサド大統領が再選され、7月17日に正式に就任したのを受けたもの。

組閣要請から9日が経った8月10日、アサド大統領は2021年政令第208号を発し、第3次アルヌース内閣を発足させた。

閣僚の顔ぶれは以下の通り:

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首相 フサイン・アルヌース

    • アラブ社会主義バアス党(中央指導部メンバー)
    • 1953年、イドリブ県生まれ
    • 1978年アレッポ大学土木工卒業。 1989年から1994年まで技術者組合イドリブ支部局長、1992年から2002年まで道路公社代表、2002年から2004年まで運輸相補佐官、2004年から2009年まで道路交通公社代表を務める。2009年から2011年までダイル・ザウル県知事を務め、2011年にはクナイトラ県知事に任命、2013年から2016年まで公共事業大臣、2016年から2018年まで公共事業住宅大臣、2018年から2020年まで水資源大臣をそれぞれ務め、2013年からアラブ社会主義バアス党中央指導部メンバー(現職)。2020年6月、水資源大臣の職務に加え人民議会議長職を任命される。2020年8月25日、シリア・アラブ共和国における組閣任務を命じられる。2020年8月30日から首相、2021年8月1日には再びシリア・アラブ共和国における組閣任務を命じられる。既婚、5子の父。

副首相兼国防大臣 アリー・アブドゥッラー・アイユーブ

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1952年、ラタキア県生まれ、シリア軍武装部隊副司令官、中将

 

    • 1971年11月1日に陸軍士官学校の装甲車両専門部に入学。軍において数々の役職を務めたのち、2012年1月1日に少佐に昇進。2012年7月21日以来、陸軍参謀総長や武装部隊長を含む多くの軍事指導職に就く。1982年から1986年までフルンゼ軍事アカデミー(ソビエト連邦)における様々な階級のキャリア、および同アカデミーにおける高官職や参謀職を含むシリア国内外における多くのキャリアを経験。これまでに勇気勲章、誠実勲章、シリア功労勲章、長期在軍勲章、模範勲章、10月6日勲章のほか、様々な階級に対する戦闘訓練の功績に関する複数の勲章を含む多くの軍事勲章を受ける。2018年から国防相に任命され、現職。既婚、3子の父。

運輸大臣 ズハイル・ムスタファー・ハズィーム

    • 不明
    • 1963年、ラタキア県生まれ
    • 1987年に旧ソビエト連邦のタリン大学で土木工学部を卒業。1987年からラタキア県飲料水・衛生公団における実行・監督エンジニア、1996年からアレッポ県干拓公社における支局長および中央監督者、2008年から軍事住宅公団における副局長を務める。2012年には軍事住宅公団において、副局長としての職務に加え、第7建設支部支部長に任命される。2017年から同公社局長。 2020年に運輸大臣に任命される。既婚、3子の父。

外務在外居住者大臣 ファイサル・ミクダード

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1954年、ダルアー県ガサム村生まれ
    • ダマスカス大学学生連盟の運営部に所属したことから始まり、その同連盟執行事務所メンバー、最終的に世界学生連盟の副会長に選出されるなど、シリア国内における学生運動に積極的にかかわる。1978年、ダマスカス大学文学部英語学科で学士号を取得後、1992年にはプラハのカレル第4大学で英文学の博士号を取得する。1994年に外務省内の外交チームに配属され、 1995年にはシリア・アラブ共和国の国連常駐代表部に異動。様々な国連系委員会で活躍し、多くの国際会議においてシリア代表を務める。その後国連安全保障理事会における常駐副代表およびシリア代表に任命され、同理事会で複数の会合の議長を務める。その後国連総会の副議長としての職務を果たしながら、同総会で多数の会議の議長を務める。2003年にシリア・アラブ共和国の国連大使・常駐代表に任命され、2006年には外務副大臣に任命。2020年から外務在外居住者大臣を務める。既婚、1男2女の父。

観光大臣 ムハンマド・ラーミー・ラドワーン・マルティーニー

    • 不明
    • 1970年、アレッポ県生まれ

    • アレッポ大学土木工学部のプロジェクト管理学科卒。シリア観光連盟副会長(設立部門)を務めたのち、2008年から2014年までシリア観光連盟会長、その後観光大臣補佐に任命、2018年には観光大臣に任命されるなど、数々の管理職を経験。既婚、3子の父。

教育大臣 ダーリム・タッバーア

  • 不明
  • 1958年、ダマスカス県生まれ
    • 公衆衛生およびドイツの熱帯・亜熱帯地域学の研究者であり大学教授。ドイツのライプツィヒ大学、ゲオルク・アウグスト大学においてそれぞれ博士号を取得。イタリアのテラモ大学において教育学分野、ドイツ国際協力公社において目標管理分野、米国、イギリス、フランス、フィンランド、ギリシャ、日本、中国などの研究センターにおいて環境教育、健康教育、科学研究分野でそれぞれ履修証明書を取得。世界保健機関(WHO)のアテネ支部に属しながら、4半世紀以上にわたり地中海沿岸諸国における健康・環境学教育の認定専門家を務める。公衆文化、児童文化、その他様々な科学のトピックに関連する多くの記事、書籍、テレビ番組、講義を有する。これまでに学科長、副学部長、学部長といった様々な大学内ポジションを経験し、シリア国内において多くの国際プロジェクトを率いる。2015年、国立教育カリキュラム開発センターの管理者に任命され2019年まで在任、同年教育大臣補佐に、その後2020年に教育大臣に就任する。

経済対外通商大臣 ムハンマド・サーミル・アブドゥッラフマーン・ハリール

    • 不明
    • 1977年、ダマスカス県生まれ

    • 2015年から経済対外通商大臣補佐を務め、それ以前には国際展示会・市場総合局の局長を務める。2017年から、ダマスカス大学教育局メンバーおよび経済対外通商大臣。既婚、2子の父。

公共事業住宅大臣 スハイル・ムハンマド・アブドゥッラティーフ

    • 不明
    • 1961年、ラタキア県生まれ
  • ダマスカス大学で地域計画総合研究の修士号と土木工学の学士号を取得。住宅公社代表、その後2018年から公共事業住宅大臣など数々の管理職を経験。既婚、2男1女の父。

工業大臣 ズィヤード・サッバーグ

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1960年、アレッポ県生まれ

    • 1986年にアレッポ大学理学部で応用化学の学士号を取得。2004年から2013年までアレッポ植物油産業公社の総局長、2005年から2010年までアレッポ商工会議所の事務局メンバー、その後アラブ社会主義バアス党中央指導部の管理委員会および検査委員会メンバー。国防大学で行政科学を学び、2020年から工業大臣に任命される。

高等教育科学研究大臣 バッサーム・バシール・イブラーヒーム

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1960年、ハマー県生まれ
    • モスクワ国立大学で土木工学の博士号を取得。1999年から2005年までバアス大学土木工学部の副学部長および同学部、2017年からバアス大学学長を務め、技術者組合総会メンバー、2018年には高等教育大臣に任命される。既婚、2女の父。

国内通商消費者保護大臣 アムル・サーリム 新

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1958年、ダマスカス県生まれ
    • 通信技術大臣(第3次ムハンマド・ナージー・アトリー内閣(2006年2月~2007年12月))
    • 経営学を副専攻しつつ、情報学の博士号を取得。彼はシリア国外の外国企業において数々の役職を歴任し、その際多くの発明特許を登録。またアップルコンピュータのダマスカス支社においてを務める。シリア情報科学協会の設立に協力したうえ同協会取締役に選出、1998年まで在任。その後2005年の終わりにシリアに帰国し、共和国大統領の顧問を務める。2006年および2007年に通信技術大臣を務める。またダマスカスに滞在しながら複数の米国系大企業において学術的・戦略的顧問として勤務した経験を持つ。

財務大臣 キナーン・ヤーギー

    • 不明
    • 1976年、ハマー県サラミーヤ郡生まれ
    • 2010年にダマスカス大学で経営学の「投資・金融」の博士号を取得。2005年にエジプトのアインシャムス大学から金融の修士号を、カイロ・アメリカン大学から投資ポートフォリオ創設・管理学科から好成績による卒業証書を取得。2001年にアレッポ大学から経営学の大学院修了証書を、1999年には同大学から経営学の学士号を取得。2006年から2015年までシリア中央銀行で働き、財務部長 銀行業務部長 国債管理部局長といった数々の役職を歴任。2015年からはダマスカス証券取引所の副所長を務める。アラブ国際私立大学金融学部教授のほか、多くの国際機関の経済顧問を務める。いくつかのトレーニングコースに参加したが、もっとも顕著なものとしてイングランド中央銀行における金融市場の構造に関するコースが挙げられる。他にも、ドイツのコメルツ商業銀行における金融市場への投資に関するトレーニングコース、ドイツのフランクフルト市における投資ポートフォリオの形成に関するトレーニングコース、イタリア中央銀行における貨幣業務および外貨準備高管理に関するトレーニングコース、ベルギー中央銀行における外貨準備高および公的債務管理に関するトレーニングコースを経験。金融市場、銀行問題、金融問題に関する多くの出版済み研究や学術的業績を有しており、2020年から財務大臣に任命。既婚、2子の父。

社会問題労働大臣 ムハンマド・サイフッディーン 新

    • 不明
    • 1965年、ダマスカス郊外県生まれ
    • 1992年にダマスカス大学で法学の学士号を取得、2012年から現在まで公共事業住宅副大臣(法務・サービス問題担当)に任命。2004年から2012年までは公共事業省の管理担当部長を務め、住宅建設省の人事部長、ドゥッマール・セメント社の労働・管理・法務部長を10年以上にわたって務める。2013年から現在まで電気通信事業公社の取締役会長を務めており、2010年から2014年まではセメント公局の取締役会メンバー、2010年から2011年までは不動産開発投資公局の諮問委員会メンバーを務める。既婚、1男1女の父。

宗教関係大臣 ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド

    • 無所属
    • 1958年、タルトゥース県生まれ
    • 1983年にダマスカス大学で経済・商業学の学位を取得、1997年にイスラーム学大学で修士号を取得、2000年に同大学から集団イジュティハード現代法学における博士号を取得。2007年にはアズハル大学からのタフスィール(クルアーン解釈)許可証に加え、カナダのオープンイスラーム文明大学において大思想家としての勲章・高評価を得た。これは国際的な学位である「国家博士号」に相当する。1985年から2002年までタルトゥース県でワクフ(宗教関係)局長および同県ムフティーを務め、2002年には宗教関係大臣補佐(宗教問題担当)、2007年からは宗教関係大臣を務める。これまで数多くの本や宗教学術書を著し、宗教学・社会学に関連する数多くの講義を行ってきた。さらに数多くのイスラーム会議に参加してきた。既婚、3子の父。

情報大臣 ブトルス・ハッラーク 新

    • 不明
    • 1966年、ダマスカス郊外県ヤブルード市生まれ
    • 2000年にカイロ大学で情報機関管理学の博士号を取得した大学教授であり、2021年にはダマスカス大学の学術問題担当副学長を務めた。2000年から現在までダマスカス大学情報学部の情報機関管理学科の教授。2008年から現在までシリア・ヴァーチャル大学の広報学科教授。さらに2013年から2017年まで、同大学の情報学部学部長を務める。また同大学の広報・メディア学部学部長、ダマスカス大学高等行政開発研究所において教育部門メンバー、さらにコンサルティング研究学部長を務める。高等行政開発研究所の高等教育部門教授、高等経営学研究所の高等教育部門教授  国立行政研究所講師、2013年にはレバント大学の情報機関管理学教授。これまで多くの修士論文・博士論文の執筆を指導し、多くの査読済み学術論文を発表しただけでなく、ローカル、アラブ、国際的な複数の学術ミッションに参加した。出版された著書の数は11冊にのぼる。

水資源大臣 タンマーム・ムハンマド・ラアド

    • 不明
    • 1965年、ヒムス県生まれ
    • 2013年、水資源の工学・管理を専攻しつつ土木工学の博士号を取得。シリア技術者組合でコンサルタントエンジニアとして働いたのち、「シリアの水政策を策定するための全国委員会」や「水分野における学術研究のための中央ネットワーク内中央委員会」を含むいくつかの委員会に加わる。さらにアースィー(オロンテス)川流域灌漑事業公社において複数のプロジェクトの実施を監督する。1991年から1994年までアースィー川上流域灌漑グループの代表を務め、バアス大学の機械電気工学部の運用を監督するエンジニアであり、アースィー川流域における複数のプロジェクトの研究準備に参加。アースィー(オロンテス)川流域灌漑事業公社ヒムス支部の代表補佐およびプロジェクト研究部門責任者を務めたのち、2004年から2005年までアースィー流域のヒムス支部代表。2006年から2011年までヒムス水資源公局の局長補佐(技術問題担当)、2011年から2015年まで同局局長。また2015年から2019年まで水研究公社の総局長。工学研究公社の総局長補佐、2019年から土地開拓事業公団の総局長、2020年から水資源大臣。既婚、3子の父。

石油鉱物資源大臣 バッサーム・トゥウマ

    • 不明
    • 1969年、タルトゥース県サーフィーター郡生まれ
    • 1993年、バアス大学で石油工学の学士号を取得したのち、同年にシリア石油会社(ジャブサ油田局)に就職。その後1993年から1995年末まで中部地域ガスプロジェクトのエンジニアとなる。その後ナジーブ・ガスステーションの責任者に任命され、2001年から2003年までコノコ・フィリップス社ダイル・ザウル支局においてオペレーションメインエンジニアを務める。2003年から2005年までシリアガス会社のガス採取・処理部門の責任者を務め、2006年から2009年まで同社においてプロジェクト・トレーニング・広報部の部長補佐および経済学部局局長を務める。2010年から2012年まで石油公局のサービス契約部長補佐、2012年から同公局のサービス契約部長。その後2018年まで同公局サービス契約部長としての職務に加え、総局長補佐。2018年以降、同公社総局長。2020年に石油鉱物資源大臣に任命される。既婚、2男1女の父。

地方行政環境大臣 フサイン・マフルーフ

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1964年、ラタキア県生まれ
    • 1987年、ティシュリーン大学で土木工学の学士号を取得したのち、1988年にサーヒル建設開発会社に勤務。1989年から1990年までラタキア港の拡張プロジェクトの実行エンジニア、1990年から1992年までラタキアの革命ダムのネットワーク・排出口プロジェクトの実行エンジニアを務める。その後1992年から2001年まで、複数のプロジェクトを指揮する。その後2001年から2003年までサーヒル建設開発会社のダマスカス支社の代表、2003年から2004年まで建設開発公社のラタキア支局長、2004年から2005年までサーヒル盆地総局長を務める。2006年から2011年まで水資源公共部門の代表に任命され、その間「公海をめぐる近隣諸国との合同委員会」でシリア側を代表した。2011年10月、ダマスカス郊外県の知事に任命され、2016年には地方行政環境大臣に任命される。既婚、2男2女の父。

通信技術大臣 イヤード・ムハンマド・ハティーブ

    • 不明
    • 1974年、ダマスカス県生まれ
    • ダマスカス大学で通信工学の学士号を取得したのち、電子業務管理分野における修士号を取得。ダマスカス・テレコム社の支社長、シリア・テレコム社の技術部長、シリア・テレコム社の代表取締役社長を含む複数の管理職を歴任。2018年から通信技術大臣。既婚、2男1女の父。

電力大臣 ガッサーン・ザーミル

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1963年、ダマスカス県生まれ

    • 1993年にダマスカス大学で電気工学の学士号を取得したのち、1995年にダルアー電力公社に就職。2000年から2011年まで地中海地域緊急事態メンテナンス部門の責任者、2012年に雇用局を務める。2014年にダルアー電力公社の局長補佐、2017年から2020年まで総局長。2020年に電力大臣に任命される。既婚、1男2女の父。

内務大臣 ムハンマド・ハーリド・ラフムーン

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1957年、イドリブ県生まれ
    • 政治治安課長を含む複数の軍事的地位を歴任。2018年から内務大臣に任命される。既婚、6子の父。

農業・農業改革大臣 ムハンマド・ハッサーン・カトナー

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1960年、ダマスカス県生まれ

    • 1982年に農業工学の学位を取得。2015年以降、農業および郊外・コミュニティ開発の分野において農業エキスパート、フリー研究者の立場を務めてきた。2012年から2014年まで農業・農業改革大臣の顧問、2004年から2011年まで統計・計画部門長、2008年から2010年まで農業生産支援基金代表、2005年から2007年まで「近代的灌漑への移行のための国家プロジェクト」の責任者、2010年から2011年まで計画・国際協力部門長、1997年から2001年まで農業問題部長をそれぞれ務める。1987年から2000年までシリアにおける世界食糧計画プロジェクト(番号:2418)の責任者、1983年から1996年までダマスカス、ダルアー、スワイダー、ヒムス、ハマー、イドリブ、アレッポといった各県における第3・第4農業安定地域内の乾燥・準乾燥地帯への植林活動を目的とする「グリーン・ベルト」プロジェクトの責任者を務める。2020年から農業・農業改革大臣に任命。既婚、1男1女の父。

文化大臣 ルバーナ・ムシャウウィフ

    • 不明
    • 1955年、ダマスカス県生まれ
    • 1986年、フランスのパリ第8大学で一般言語学分野において最高名誉位の博士号を取得したのち、2005年から2016年までダマスカス大学芸術人文科学部の教授を務める。2008年からアラビア語アカデミーのメンバーのほか、2011年から2012年まで高等言語研究所の所長。2012年から2014年まで、その後2020年以来文化大臣を務める。傑出創造部局の取締役会メンバーのほか、シリア開発トラストで文化・開発戦略アドバイザー。2019年には批評、研究、翻訳の分野で国家勤労賞を受賞している。既婚、1男1女の母。

保健大臣 ハサン・ガッバーシュ

    • 不明
    • 1971年、ダマスカス県生まれ
    • 1998年にダマスカス大学で人間医学の学士号を取得したのち、2002年までムワーサー大学病院の耳鼻咽頭科および頭頸部外科にて勤務し、2003年にはアメリカ耳鼻咽喉科学会の会員となる。アラブ委員会から証書を受領したのち、蝸牛移植、顕微鏡下耳手術、内視鏡下副鼻腔手術といった専門分野においてベルギー、スイス、スペインといった国々から経験証明書を取得。カイロにおけるアラブ鼻医者連盟の創設メンバーであり、シリア委員会メンバー。2017年から耳鼻咽喉科研修委員会の会長を務め、2014年から2019年までシリア耳鼻咽喉科医師協会の会長を務める。2019年、ダマスカス医師会の会長に選出され、2020年に保健大臣に任命される。既婚、1男1女の父。

法務大臣 アフマド・アワド・サイイド

    • 不明
    • 1965年、クナイトラ県生まれ
    • 1994年にダマスカス大学法学部を卒業後、調査一等裁判官、財務調査裁判官、ダマスカス郊外県法務官、ダマスカス県一等法務官、破棄院顧問を務める。2020年に法務大臣に任命され、現職。既婚、2男2女の父。

行政開発担当国務大臣 サラーム・ムハンマド・サッファーフ

    • 不明
    • 1979年、ハマー県生まれ
    • 2010年にフランスで政治学博士号、それ以前にダマスカス大学経済学部で国際関係学修士号、国立行政研究所で行政学修士号を取得。行政開発担当国務大臣補佐を務めたのち、2017年から行政開発担当国務大臣。これまでに国内の多くの省庁の組織構造および内部システムの開発を監督したほか、能力開発、管理スキル強化、交渉、効果的なコミュニケーションといった分野においてトレーナー、講師を務める。これまでにアラビア語とフランス語によって数々の学術系著作を出版している。既婚、1女の母。

大統領府担当国務大臣 マンスール・ファドルッラー・アッザーム

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1960年、スワイダー県生まれ
    • 1983年にダマスカス大学でフランス文学の学士号を、1985年に同大学でフランス語のアラビア語翻訳の学位を取得したのち、フランス国立行政学院で国際関係学を修める。1994年に外務省に入省し外交官となったのち、1995年から2000年まで在ワシントン・シリア大使館で文化問題および米議会問題担当の責任者を務める。2000年から2002年まで、外務省顧問および同省。2003年には共和国大統領府の副儀典局長となり、2008年には共和国大統領府の事務局長に就任する。2009年から大統領府担当国務大臣。既婚、3女の父。

国務大臣 ムハマド・ファーイズ・バルシャ

    • シリア共産党(政治局員)
    • 1955年 ダマスカス県生まれ

    • 1982年にソビエト連邦で化学工学の学位を取得。シリア共産党の政治局のメンバーであり、2002年から2015年ま、その後同同盟理事を務める。進歩国民戦線ダマスカス支局の運営部メンバー、ロシアおよびソビエト教育機関のシリア人同窓会の事務局メンバー。2020年に国務大臣に任命される。ロシア語からの翻訳書を数多く出版。2女(双子)の父。

国務大臣 アブドゥッラー・サッルーム・アブドゥッラー 新

    • 社会主義統一主義者党
    • 1956年、アレッポ県カズル・マズラア村生まれ
    • 2021年の大統領選挙に立候補

    • 法学の学位を取得後、統一社会主義者党アレッポ支部の学生事務所および地域事務所で勤務し、1993年には統一社会主義者党中央委員会メンバーとなる。その後同党ダマスカス県支部の運営メンバーとなり、2001年にはダマスカス郊外県支部の支部長に就任。1985年から2005年まで、シリア全国学生連盟の事務局メンバー。人民議会とシリア全国学生連盟に身を置きながら、これまでにアラブ圏内および国際的な数多くの会議でシリア・アラブ共和国を代表する。2003年から2007年、また2012年から2016年まで人民議会議員。2016年から2020年まで人民議会担当国務大臣(イマード・ハミース内閣(2016年7月~2020年6月)、第1次フサイン・アルヌース内閣(2020年6月~8月))。既婚、3男2女の父。

国務大臣 ディヤーラー・バラカート 新

    • シリア民族社会党
    • 1980年、ヒムス県生まれ
    • イタリアのローマ第3大学でローマ式石彫刻の博士号を取得したほか、ダマスカス大学における古典考古学学士号、および同大学からの考古学学士号を保有。イタリア語、フランス語、英語に堪能。多くのトレーニングコースを修了したのち、ヒムス考古学局の局長補佐、その後ヒムス考古学局発掘部門の部長。バアス大学観光学部において、公開授業および高等教育を担当する講師を務める。パルミラ国立博物館の会長。2001年以来、多くの外国およびシリアの調査隊とともに、考古学分野における発掘およびファイル化の任務に加わる。そのほか、2016年には公庫物・博物館総合局のチームメンバーとしてパルミラ国立博物館が受けた被害のファイリングにも携わる。

(出所)SANA, August 1, 2021, August 19, 2021、Snack Syrian, August 10, 2021、シリア首相府(Facebook、https://www.facebook.com/SyrianPrimeMinistry/)などをもとに作成。

(2021年8月10日作成)