第3次フサイン・アルヌース内閣(2023年12月13日水資源大臣、地方行政環境大臣交代、大統領問題担当省廃止)

Snacksyrian.com, December 13, 2023

 

木戸皓平

バッシャール・アサド大統領は2023年12月13日、2023年政令第313号を施行し、地方行政環境大臣を務めていたフサイン・マフルーフ氏をタンマーム・ラアド氏の後任として水資源大臣に任命、空席となった地方行政環境大臣にラミヤー・ユースフ・シャックール氏を新たに任命した(12月14日に大統領府にて就任宣誓を行う)。

シャックール氏は女性として初めての地方行政環境大臣となる。

SANA, December 14, 2023

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シャックール氏の経歴は以下の通り。

第4次中東戦争期に参謀総長を勤め、その後駐フランス・シリア大使などを務めたユースフ・シャックール少将の娘として、1962年にダマスカス県で生まれる。

ダマスカス大学で国際関係学の学士号を取得、英国のオックスフォード大学で国際関係学の修士号を取得。

フランスのヴァル・ド・マルヌ大学で都市建設工学を学び、フランス政府公認建築家(ADPG、Architecte Diplômé Par Le Gouvernement)資格を保有。

2011年に女性として初の駐フランス・シリア大使に任命、2012年にシリア・フランス間の国交が断絶したのちもフランス当局の決定によって引き続きパリに残留。

2015 年のパリ気候協定など、複数の国際的な協定・条約の起草に参加しただけでなく、国連や国連安全保障理事会でシリアの国益を擁護する活動を多く行い、シリアに課せられた経済制裁の一部解​​除することに成功する。

2017年ユネスコ・シリア常駐代表に任命、 任期中のシリア建国記念日(撤退の日、2022年4月17日)にはパリのユネスコ本部にシリア国旗が掲揚される。

その後駐ポルトガル・シリア特命全権大使兼総領事(非常駐)、駐スイス・シリア特命全権大使兼総領事(非常駐)を歴任。

 

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アサド大統領はまた同日、2023年法令第38号を施行し、大統領問題担当省(大統領府担当大臣所轄)に代えて、大統領直轄の大統領府事務局を設置した。

大統領府事務局は、事務局長のもと、大統領の職務遂行を補佐、大統領府の運営、財務、法務業務を遂行・監督することとなる。

この措置にともない、マンスール・ファドルッラー・アッザーム氏は大統領府担当国務大臣から外れ、大統領府事務局長へと新たに就任することとなった(大臣職は廃止)。

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これにより、第3次フサイン・アルヌース内閣の閣僚は以下の通りとなった。

首相 フサイン・アルヌース

      •  アラブ社会主義バアス党(中央指導部メンバー)
      •  1953年、イドリブ県出身

 

国防大臣 アリー・マフムード・アッバース 新

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1964年、ダマスカス郊外県バラダー渓谷のイフラ村出身

運輸大臣 ズハイル・ムスタファー・ハズィーム

    • 不明
    • 1963年、ラタキア県出身

 

外務在外居住者大臣 ファイサル・ミクダード

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1954年、ダルアー県ガサム村出身

 

観光大臣 ムハンマド・ラーミー・ラドワーン・マルティーニー

    • 不明
    • 1970年、アレッポ県出身

 

教育大臣 ムハンマド・アーミル・マールティーニー

    • 不明
    • 1959年、ダマスカス県出身

経済対外通商大臣 ムハンマド・サーミル・アブドゥッラフマーン・ハリール

    • 不明
    • 1977年、ダマスカス県出身

 

公共事業住宅大臣 スハイル・ムハンマド・アブドゥッラティーフ

    • 不明
    • 1961年、ラタキア県出身

 

工業大臣 アブドゥルカーディル・ジューフダール

    • アラブ社会主義バアス党
    •  1968年、アレッポ県出身

 

高等教育科学研究大臣 バッサーム・バシール・イブラーヒーム

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1960年、ハマー県出身

 

国内通商消費者保護大臣 ムフスィン・アブドゥルカリーム・アリー

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1968年、ラタキア県カフルダビール村出身

 

財務大臣 キナーン・ヤーギー

    • 不明
    • 1976年、ハマー県サラミーヤ郡出身

 

社会問題労働大臣 ルアイ・イマードッディーン・ムナッジド

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1964年、ダルアー県生まれ

 

宗教関係大臣 ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド

    • 無所属
    • 1958年、タルトゥース県出身

 

情報大臣 ブトルス・ハッラーク

    • 不明
    • 1966年、ダマスカス郊外県ヤブルード市出身

 

水資源大臣 フサイン・マフルーフ

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1964年、ラタキア県出身

 

石油鉱物資源大臣 フィラース・ハサン・カッドゥール

    • アラブ社会主義バアス党
    •  1968年、ラタキア県カフルダビール村出身

 

地方行政環境大臣 ラミヤー・ユースフ・シャックール

    • 不明
    • 1962年、ヒムス県ヒムス市出身(生まれはダマスカス県)

 

通信技術大臣(通信情報技術大臣)* イヤード・ムハンマド・ハティーブ

    • 不明
    • 1974年、ダマスカス県出身

*アサド大統領は2024年7月1日、2024年法律第25号を施行し、2013年法令第69号によって設立された通信技術省を解体し、通信、情報テクノロジー分野の世界的な発展に対応するために、通信情報技術省を新設した。これに伴い、通信技術大臣の職名も通信情報技術大臣となった。

電力大臣 ガッサーン・ザーミル

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1963年、ダマスカス県出身

 

内務大臣 ムハンマド・ハーリド・ラフムーン

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1957年、イドリブ県出身

 

農業・農業改革大臣 ムハンマド・ハッサーン・カトナー

    • アラブ社会主義バアス党
    • 1960年、ダマスカス県出身

 

文化大臣 ルバーナ・ムシャウウィフ

    • 不明
    • 1955年、ダマスカス県出身

 

保健大臣 ハサン・ガッバーシュ

    • 不明
    • 1971年、ダマスカス県出身

 

法務大臣 アフマド・アワド・サイイド

    • 不明
    • 1965年、クナイトラ県出身

 

行政開発担当国務大臣 サラーム・ムハンマド・サッファーフ

    • 不明
    • 1979年、ハマー県出身

 

国務大臣 アフマド・ムハンマド・ブースタジー

    • シリア統一社会主義者党
    • 生年不明、イドリブ県出身

 

国務大臣 アブドゥッラー・サッルーム・アブドゥッラー

    • 社会主義統一主義者党
    • 1956年、アレッポ県カズル・マズラア村出身

 

国務大臣 ディヤーラー・バラカート

    • シリア民族社会党
    • 1980年、ヒムス県出身

(出所)Akhbar al-Ladhaqiya, December 16, 2023, Jarida Hims, December 14, 2023、SANA, December 13, December 13, December 14, 2023, July 1, 2024、Snacksyrian.com, December 13, 2023。

(2024年1月8日作成、2024年7月5日一部加筆)