CMEPS-J Report No. 78
浪内 紫雲
(2024年8月16日)
(出所:青山弘之作成)
はじめに
民主統一党(Hizb al-Ittihād al- Dīmuqrāṭī: Partiya Yekîtiya Demokrat: 以下、PYD)は、シリアで活動する非公認の反体制クルド民族主義組織の1つである。トルコのクルディスタン労働者党(Partiya Karkerên Kurdistanê /Kurdistan Worker’s Party: PKK)の設立者であり党首であったアブドゥッラー・オジャランを支持するPKKのメンバーによって、2003年9月に設立された[青山・阿部 2022: 70]。2011年3月に民主化運動「アラブの春」がシリアに波及して以降、PYDは、他の反体制派諸組織と関係を築き、政府打倒を目指した。しかし、クルド人問題を中心に他の反体制派諸組織と折り合いがつかず、PYDは孤立していった。その一方で、PYDは、社会運動体である民主社会運動(Tevgera Civaka Demokratîk: TEV-DEM、2013年11月結成)による民政自治、民兵である人民防衛隊(Yekîneyên Parastina Gel: YPG、2004年結成)による治安維持を通じて自治の確立および支配領域の拡大に取り組んでいた[青山 2019]。その後、PYDは、2014年1月に独自の自治政体を樹立し、シリア北東部を実効支配した。本稿執筆現在(2024年8月)、PYDは、その自治政体を通じて支配を継続している。そのなかで、PYD/自治政体は、支配を制度化するための動きの一環として、2024年4月30日に行政区画法を「公布」し、「施行」した。
PYDによる自治の確立と支配領域の拡大
現在、PYDが主導する自治政体の名称は、北・東シリア地域民主自治局(al-Idāra al-Dhātīya al-Dīmuqrāṭīya al-Iqlīmīya li-Shamāl wa Sharq Sūriyā)である。しかし、自治政体が樹立された2014年1月当初の名称は、西クルディスタン移行期民政局(al-Idāra al-Madanīya al-Mu’aqqata li-Gharb Kurdistān – Sūriyā、通称ロジャヴァ(Rojava、クルド語で「西」を意味))であった。その後、PYDは、北シリア連邦、北シリア民主連邦、北・東シリア自治局と自治政体の名称を変更してきた。この名称の変更は、PYDの軍事部門である人民防衛隊(Yekîneyên Parastina Gel: YPG)が支配領域を拡大させるのに伴って行われた。以下、時系列に従い、支配領域の拡大と名称変更の過程を整理する。
YPGは、「米主導の有志連合の全面支援を受けて、イスラーム国の殲滅を目的とする「生来の決戦作戦」の一翼を担」い、イスラーム国の支配領域を次々に制圧していった[青山 2019]。2014年1月時点のPYDの支配領域は、ハサカ県北東部、アレッポ県北東部のアイン・アラブ(コバネ)市一帯、同県北西部のアフリーン市一帯であった。2015年6月までに、YPGが、イスラーム国との戦闘のなかで、ラッカ県タッル・アブヤド市を制圧した。その後、2015年10月に、米国の肝煎りで、YPGが中核を担うシリア民主軍(Syrian Democratic Forces: SDF、Qūwāt Sūriyā al-Dīmuqrāṭīya: QSD)が結成されて以降、ハサカ県の大部分を制圧した[Allsopp and Wilgenburg 2019: 127]。これに伴い、2015年後半、北シリア(・ロジャヴァ)連邦と自治政体の名称を変更した[Allsopp and Wilgenburg 2019: 89]。YPG/SDFは、イスラーム国との戦闘を継続し、2016年2月にアレッポ県北部のタッル・リフアト市を制圧、同年12月に、北シリア民主連邦(al-Fidrālīya al-Dīmuqrāṭīya li-Shamāl Sūriyā)に自治政体の名称を変更した[Allsopp and Wilgenburg 2019: 89]。2017年末時点で、YPG/SDFは、ラッカ県やダイル・ザウル県のユーフラテス川東岸地域、同川西岸に位置するアレッポ県マンビジュ市一帯、ラッカ県タブカ市一帯を制圧した」[青山 2019]。PYDは、これらの領域を統治するために、2018年9月に北・東シリア自治局(al-Idāra al-Dhātīya li-Shamāl wa Sharq Sūriyā)を発足した。そして、2023年12月12日に国家の憲法にあたる社会契約が「公布」し、「施行」されたことを受けて、北・東シリア地域民主自治局(以下、単に自治局とする)に名称を変更し、現在に至る。
頓挫した実効支配の制度化
こうして支配領域を拡大していった自治局は、行政区画法のほかに、自治体法や選挙法といった「法」を矢継ぎ早に「公布」し、「施行」することで、国家としての体裁を整えつつある。こうした動きは、北・東シリア自治局の発足に向けた準備を本格化させて以降、本格化した。北シリア・ロジャヴァ民主連邦樹立評議会は、2016年3月16日および17日の2日間にわたって憲法制定議会会議を開き、31人のメンバーからなる組織評議会を選出した。同評議会は、社会契約とその包括的な政治的・法的ヴィジョンを準備することが割り当てられ[Allsopp and Wilgenburg 2019: 124 – 125; AFN News, March 18, 2016]、2017年6月30日に社会契約を公表した[青山 2019]。その後、社会契約に基づき、行政区画法及び選挙法が「公布」され、「施行」された。選挙法とは、「行政区画法によって画定された各自治体の決定機関となる議会の選出方法や日程を定め」るものである[青山2019]。北シリア・ロジャヴァ民主連邦は、これらの「法」の「施行」に従い、2017年9月以降、各行政単位での選挙の実施に取り組んだ。しかし、こうしたPYD/自治政体の動きに警戒心を強めていたトルコは、2018年1月20日に軍事作戦(「オリーブの枝作戦」)を実施し、アレッポ県アフリーン市一帯を侵攻し制圧した。このトルコの軍事行動を受けて、選挙の実施は中止され、社会契約の「施行」とそれに伴う連邦主義的な統治体制の制度化が頓挫した[青山 2019; Allsopp and Wilgenburg 2019: 125]。
選挙の再実施に向けた「法制度」の確立
本論稿にて全訳した行政区画法や2024年付法律第5号の選挙法は、当時「公布」し「施行」されたものの改訂版にあたる。2023年12月12日に社会契約を改めたことに始まり、再び自治局は、2024年付法律第4号の自治体法及び法律第5号の選挙法を2024年4月7日に、第6号の行政区画法を同月30日に「公布」し「施行」した上で、選挙の実施を試みた。
全63条からなる自治体法は、目的と定義、自治体、自治体連合、総則の4部で、これを構成する。同法の目的は、その第1部第1条にて、「自治体及び自治体連合の法的側面を定め、自治体の権限及び義務を明確に規定し、北・東シリア地域民主自治局の社会契約に基いた運営原則を示すこと」と定められる。また、「各自治体は1つの選挙区を構成」し(第2部第2章第6条)、直接選挙で選ばれた議員からなる自治体議会によって管理および運営される(同章第5条)。そのほか、各条文にて、自治体、自治体議会、自治体連合に関する、それぞれの定義、役割及び職務内容、法的権限、義務、財政などが規定される。
また、全29条からなる選挙法は、選挙の定義及び制度、立候補者、選挙手続き、投票終了後の措置、選挙結果と欠員補充と再選挙、総則の6章で、これを構成する。同法の定義は、その見出しにおいて「自治体選挙に関する基本原則及び手続きを定めるものである」とされる。また、選挙の有権者(第1章第7条)および立候補者(第2章第8条)は、ともに自治局の支配領域の出身者で18歳以上かつ5年以上そこで合法的に暮らしている者とされる。そのほか、各条文にて、自治体ごとの議会議員数、選挙の日程、有権者や立候補者の条件、選挙委員会の役割及び職務内容、投票行動そのほか諸事項が規定される。
行政区画法は、これら2つの「法」に立脚した選挙の実施や自治局の支配に、行政区画を制度化することで実態を与えるものと位置づけることができる。
選挙実施にむけた「法」を「公布」し「施行」するこれらの動きは、法制度の確立により自治局の実効支配に「法的な」正統性を付与するものである。同時に、選挙活動のなかで、民意を問い、世論を形成し、自治局の実効支配の民主的な正統性および制度上の民主主義体制を確立させようとするものであると指摘できる。このことは、自治局がより「準国家(Quasi-State)」または「並行国家(Parallel State)」として振る舞おうとしていることの証左である。
地方選挙の延期
以上の「法」に基づいて5月30日に実施予定であった地方選挙は、4月29日に人口調査が行われるなどして準備が進められていた(ANHA, April 29, 2024)。しかし、内外的な要因によって、2度にわたり選挙実施の日程を延期した。最終的には、8月11日に実施日を変更するも、自治局からの通達も一切ないまま、当日を迎えても選挙が実施されることはなかった。以下、その延期から事実上の中止に至るまでの過程を述べる。
1回目の延期は、複数の政党や政治組織からの要請を受けてのことであった。北・東シリア地域民主自治局高等選挙管理委員会は、5月11日に声明第57号・決定第2号を発表し(Facebook (@aanes.official), May 11, 2024)、選挙実施日を6月11日に延期した。
(出所)Facebook (@aanes.official), May 11, 2024、https://www.facebook.com/aanes.official/posts/793628532868607?ref=embed_post(最終閲覧日:2024年8月14日)
2回目は、トルコ、アメリカ、そのほかシリア北東部で活動する一部の諸組織による非難を受け、複数の政党が再び延期を要請したことが背景にある。トルコは、自治局によるこうした独立国家の形成に近い動きに警戒心を強めており、選挙実施日が近づく5月中に非難の声明を述べていた(al-Sharqi al-Awsaṭ, May 23, 2024、Al Jazeera, May 26, 2024)。また、「ヴェダント・パテル米国国務省副報道官は、国連安全保障理事会決議第2254号で求められているように、シリアで開催される選挙は自由、公正、透明、包括的でなければならないと述べ」(Shaam Network, May 31, 2024)、米国が選挙実施に否定的であることを示した。
そのほか、トルコと繋がりのあるPYDと対立する複数の組織が、選挙実施に反対の姿勢を示した。具体的には、シリア・クルド人無所属連盟(Rābiṭa al-Mustaqlīn al-Kurd al-Sūriyīn)やシリア革命反体制勢力国民連立(al-Iʼtilāf al-Waṭanī li-Qwa al-Thawra wa al-Muʻāraḍa al-Sūrīya、通称、シリア国民連合(al-Iʼtilāf al-Waṭanī al-Sūrī))、シリア国民軍に所属する諸派を含む複数の組織が、選挙に反対するデモを実施した(Shaam Network, June 6, 2024)。さらには、シリア部族評議会(Majlis al-Qabāʼil wa al-ʻAshāʼir al-Sūrīya)が、約8000人にも及ぶ部族の参加のもと、アレッポ県サッジュー町にて開催した第5回総会にて、選挙に対する拒否の意を示した(Dama Post, June 5, 2024)。こうした非難の声が地域内外からあげられていたなか、シリア民主評議会、「自由のための諸人民・女性同盟」、「ともにより良いサービスを」リスト、シリア・クルド民主統一党からの文書による正式な要請を受け、自治局の高等選挙委員会は決定第5号を発行し、選挙実施日を8月11日に正式に延期した(シリア・アラブの春顛末記, 2024年6月6日)。
(出所)Facebook (@aanes.official), June 6, 2024、https://www.facebook.com/photo/?fbid=793628462868614&set=a.447290537502410(最終閲覧日:2024年8月14日)
自治局は、選挙期間が選挙活動を行うのに十分ではなかったことを理由に挙げており(ANHA, June 6, 2024)、PYDのサーリフ・ムスリム共同党首もまた、日刊紙『シャルク・アウサト』のインタビューにて詳細に説明している(al-Sharqi al-Awsaṭ, June 23, 2024)。
再び頓挫した地方選挙
しかしながら、8月11日に選挙が実施されることはなかった。PYDに近いメディアのノース・プレスによれば、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)のナスルッディーン・イブラーヒーム書記長が、同メディアに対して、「各政党は、高等選挙委員会(選挙管理委員会)に対して、ふさわしい状況となり、追って通達がなされるまで、選挙を延期するよう要請する」と述べた(シリア・アラブの春顛末記, 2024年7月25日、North Press Agency, July 25, 2024)。また、イブラーヒーム氏は、「我々は、来週初めに選挙延期の申請を提出するために、同委員会と会談するための各政党の代表からなる代表団を結成する」と加えた。一方、複数のメディアは、トルコの軍事的脅威とそれを懸念するアメリカの圧力、そしてクルド国民評議会やそのほかアラブ諸部族による選挙の実施への反対が要因だと報道した(al-araby al-jadīd, July 29, 2024、Al Jazeera, July 29, 2024、Syria TV, August 3, 2024)。
こうして、2018年1月に頓挫した選挙の再実施の試みは、内外的な要因によりまたしても実現することができなかった。しかし、憲法に当たる社会契約を定めただけではなく、人口調査に基づいて独自の行政区画を「法的」に定めたことは、「行政サービス」に相当する自治局の諸機関による社会サービスの提供を正確に行う土台を形成したと言える。
以下では、こうした状況のなかで「施行」された行政区画法(2024年付法律第6号)を全訳する。
なお、自治局は非国家主体であるため、「法律の公布・施行」といった表現があたらないことは言うまでもないが、自治局の文脈に則りこのように訳出する。
行政区画法全訳
2024年付法律第6号
北・東シリア地域民主自治局行政区画法
第1章
北・東シリア地域民主自治局行政区画
第1条
1- 北・東シリア地域民主自治局は、ジャズィーラ、ダイル・ザウル、ラッカ、ユーフラテス、マンビジュ、アフリーン・シャフバーおよびタブカの7つの地区でこれを構成する。
2- 地区は、市、町、村、農場および居住地区でこれを構成する。
3- 市は、市中心部、町、村、農場および居住地区でこれを構成する。
4- 町は、町中心部、村、農場および居住地区でこれを構成する。
第2条
行政単位は、農場、村、町、市および大都市で構成され、次に掲げる人口数に従い、各々その単位を定める。
1- 農場:100人を超えない全ての人口集団とする。
2- 村:101から5,000の間の人口範囲にある全ての人口集団とする。
3- 町:5,001から3,5000の間の人口範囲にある全ての人口集団とする。
4- 市:3,5001から200,000の間の人口範囲にある全ての人口集団とする。
5- 大都市:200,000人を超える全ての人口集団とする。
第2章
各地区の行政区画
第3条
北・東シリア地域民主自治局は、ジャジーラ、ダイル・ザウル、ラッカ、ユーフラテス、マンビジュ、アフリーン/シャフバーおよびタブカの7つの地区からなり、それぞれ次に掲げる市および町で各々その地区を構成する。
ジャジーラ地区
1- ジャジーラ地区は、次に掲げる行政単位でこれを構成する。
大都市:ハサカ、カーミシュロー
市:ダイリーク(マーリキーヤ)、カルキー・ルキー(マアバダ)、ディルべ・スピーイェ(カフターニヤ、カブリー・フーリーヤ)、ジャッル・アーガー、タッル・ハミース、アブー・ジャルン、アームーダー、ハッダーディーヤ、シャッダーディー、アブダーン、タッル・タムル、マルカダ、ラアス・アイン(スィリー・カーニヤ・リーシュ・アイヌー)、ダルバースィーヤ、ザルカーン
町:アービラ、キーシュカ、アルウール、ムスタファーウィーヤ、タンヌーリーヤ、アイン・ディーワール、カリー・シーラー、ハーナー・スィリー、タッル・クージャル(ヤアルビーヤ)、フルワ、アブー・ファラア、マアシューク、タッル・アフマド、カリー・ファーティー、ヒルバト・ビール、トゥーブー、ジャーギル・バーザー、トゥーバズ、サンジャク・サアドゥーン、タッル・バイダル、サフヤー、スマイハーン・ガルビー、タッル・ハマディー、ウサイバグ、フール、トゥワイナ、ウンム・フジャイラ、ブハイラト・ハートゥーニーヤ、アリーシャ、ジャバル・カズワーン(ジャバル・アブドゥルアズィーズ)、タッル・アミール、タッル・カラッム、サイカル、カイラワーン、ハース、カルバーウィー、ジャズア、アッカーズ、タッル・マジュダル、タッル・ブラーク
2- ダイル・ザウル地区
ダイル・ザウル地区は、次に掲げる行政単位でこれを構成する。
市:カスラ、ジャズラート、スワル、ブサイラ、ハジーン
町:サアワ、ハルムーシーヤ、ブサイティーン、ハリージーヤ、スブハ、アブー・ハシャブ、ムワイリフ、ジュナイナ、キバル、ムハイミーダ、ヒサーン、ジュダイド・アカイダート、シュハイル、ズィーバーン、タヤーナ、シャアファ、カシュキーヤ、アブー・ハマーム、スーサ、バーグーズ、ガラーニージュ
3- ラッカ地区
ラッカ地区は、次に掲げる行政単位でこれを構成する。
大都市:ラッカ
市:カラーマ、フース、ハズィーマ
町:アサディーヤ、ウカイラシー、ラトラ、サルハビーヤ、クダイラーン、フクーミーヤ、ラッカト・サムラー、カフターニーヤ、ジュダイダート、カーリタト、ティシュリーン、ラシード農場、ハムラート、カスラート
4- ユーフラテス地区
ユーフラテス地区は、次に掲げる行政単位でこれを構成する。
大都市:コバネ
市:スィリーン、カナーヤー、カーディリーヤ、アイン・イーサー、タッル・アブヤド(ギレ・スピ)
町:シーラーン、タッル・ガザール、ランマーラ、バイナダル、チャルビーヤ、ターシュルーク、ジャルン、ヒーシャ、スルーク、バルク
5- マンビジュ地区
マンビジュ地区は、次に掲げる行政単位でこれを構成する。
大都市:マンビジュ
市:アブー・キルキル、ムフタリク
町:ハイヤト、ファーラート、タッル・フーザーン、ヤースティー、アリーマ
6- アフリーン/シャフバー地区
アフリーン/シャフバー地区は、以下の行政単位もって構成する。
大都市:アフリーン
市:ラージュー、ジンディールス、ムーバーター、シャッラーン、シーヤ(シャイフ・ハディード)、シャフバー、タッル・リフアト
町:シーラーワー、マイダーニカ、マイダーナー、バアディーナー、バルバラ、イフリス、ファーフィーン、アフダース、カフルナーヤー
7- タブカ地区
タブカ地区は、次に掲げる行政単位でこれを構成する。
市:タブカ、マンスーラ、ジャルニーヤ
町:スワイディーヤ、サフサーファ、シャムスッディーン、ブー・アースィー、ハマーム、マフムーダリー
第3章
行政単位の画定
第4条
農場、村、町、市および大都市は、関連する行政単位の人民議会と各地区の人民議会とによる決定に基き、画定、命名、その中心部および境界の指定、改正される。
提案は、地区人民議会により行われる場合において、関連する行政単位における人民議会により承認されなければならず、その後、地区人民議会により決定される。
第5条
この法律は、北・東シリア地域民主自治局民主人民議会が公布した日から、これを施行する。
(出所)Facebook (@aanes.official), al-Idāra al-Dhātīya al- Dīmuqrāṭīya al-Iqlīmīya li-Shamāl wa Sharq Sūriyā, 2024.5.1.
参考文献
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- 青山弘之 2019.「シリアにおける分権制・連邦制の行方:アサド政権vs.クルド民族主義組織PYD」『国際情勢紀要』第89号、pp. 115-138(CMEPS-J Report, No. 29に再録).
- 青山弘之・阿部利洋 2022.「シリアにおける移行期正義の限界と可能性:クルド民族主義組織PYDによる自治の試み」今井宏平編『クルド問題:非国家主体の可能性と限界』岩波書店、pp. 53-81.
- シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢(http://syriaarabspring.info).
- AANES MEDIA(https://aanesgov.org/author/aanesmedia/).
- al-araby al-jadīd(https://www.alaraby.co.uk/)
- Al Jazeera(https://www.aljazeera.net).
- al-Sharqi al-Awsaṭ(https://aawsat.com).
- Allsopp, Harriet and Wladimir van Wilgenburg. 2019. The Kurds of Norther Syria: Governance, Diversity and Conflicts. Volume. 2, Governing Diversity: The Kurds in a New Middle East. I. B. TAURIS, London.
- ANHA(Wikāla Anbā’ Hāwār)(https://hawarnews.com/ar/).
- Dama Post(https://damapost.com/)
- Facebook(@aanes.official).
- North Press Agency(https://npasyria.com/)
- Shaam Network(https://shaam.org/)