2025年2月15日(土)、中東・イスラーム地域研究 院生研究会(Graduate Student Society for Middle Eastern and Islamic Area Studies:GSMEIAS)が主催する研究報告会(第2回GSMEIAS研究報告会[日英バイリンガル国際ワークショップ:発表言語については日英どちらかを発表者が選択して行い、質疑については日英両言語で行うというもの])が、現代中東政治研究ネットワーク(CMEPS-J.net)と立命館大学中東・イスラーム研究センター(CMEIS)の共催のもと、立命館大学東京キャンパス(東京都千代田区)にて対面で開催されました。本会には、合計で15名の若手研究者らが参加し、研究報告と討論が行われました。
第2回GSMEIAS研究報告会では、2024年度研究会代表者である米田優作氏の司会・進行のもと、本研究会の趣旨及び問題意識の共有が行われたのち、博士前期課程院生によるセッション、博士後期課程院生etc.によるセッションの2つのセッションに分けて、若手研究者による研究報告が行われました。
1番目のセッションである<知を生産・創出するために:博士前期課程院生によるセッション>では合計8名の若手研究者が報告を行いました。1人目の報告者である東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士前期課程の東 佑太氏がまず、「エスニシティと宗教の狭間で:1960 年代イスラエルにおけるインド系ユダヤ移民の婚姻制限と国民統合」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する東氏
続いて、2人目の報告者である早稲田大学大学院文学研究科博士前期課程の法島香月氏が「親クルド政党による上位アイデンティティ概念の受容:民主社会党による『トルコ市民』の提唱とその後の展開を中心に」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する法島氏
続いて、3人目の報告者である立命館大学大学院国際関係研究科博士前期課程の井上堅斗氏が「Exploring the Ideology of Huthi Movement (Anṣār Allāh) in the Context of Yemen: Based on the Collection of Speeches by Former Leader Husayn, Malāzim」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する井上氏
続いて、4人目の報告者である立命館大学文学研究科博士前期課程の前田琉成氏が「ハマースの活動(1987-1993 年)におけるリーフレット発行の役割:アフマド・ヤースィーンの言説からの考察」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する前田氏
続いて、5人目の報告者である東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士前期課程の萩原優太氏が「『イスラーム過激派』の生存戦略:現代イラクの『イスラーム国』に着目して」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する萩原氏
続いて、6人目の報告者である立命館大学国際関係研究科博士前期課程の須原悠輝氏が「新興民主主義の定着段階における国民の政治意識の変容:『アラブの春』以降のチュニジアを事例として」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する須原氏
続いて、7人目の報告者である立命館大学大学院国際関係研究科の奥庭玲氏が「『中央と周辺』理論でトルコ地域研究を再考する:『周辺』政治研究へのよりよい理解に向けて」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する奥庭氏
続いて、8人目の報告者である上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士前期課程の久永優吾氏が「The Transformation of the Turkish Constitutional Court from ‘Guardian of the Regime’ to ‘Protector of Human Rights’: From Introduction of Individual Application」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する久永氏
2番目のセッションである<知を創出し新たに価値創造するために:博士後期課程院生etc.によるセッション>では合計5名の若手研究者が報告を行いました。
まず、1人目の報告者である独立研究者の伊藤慎一郎氏が「揺れる独裁と軍隊の同盟関係:比較分析が示す中東地域の変容」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する伊藤氏
続いて、2人目の報告者である東京科学大学大学院環境・社会理工学院博士後期課程の倉本敬司氏が「中東における米軍基地:ダハラーン飛行場を中心に」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する倉本氏
続いて、3人目の報告者である立命館大学大学院国際関係研究科博士後期課程のMohamed Ettawy氏が「Al-Azhar and Conflict Mediation: The Case of the Palestinian Dispute」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告するEttawy氏
続いて、4人目の報告者である慶應義塾大学大学院法学研究科博士後期課程の山岡陽輝氏が「Hizb ut-Tahrir as a Political Phenomenon」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する山岡氏
最後に、5人目の報告者である立命館大学大学院国際関係研究科博士後期課程の米田優作氏が「The Glocal Turn of Salafism, or Salafism Studies?: Reconsidering ‘Post-Salafism’ from the Case of Egypt’s al-Da‘wa al-Salafīya」と題して報告を行い、質疑応答が行われました。
報告する米田氏
合計13名が研究報告を行った第2回GSMEIAS研究報告会は、若手メンバー間での研究報告を通じた知的交流の場としてのみならず、各自の研究をブラッシュアップし前進させるための場・切磋琢磨の場として非常に有意義な機会となりました。次年度以降も引き続きメンバー考案で、さまざまな企画および研究発表の場を創り上げていく所存です。
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中東・イスラーム地域研究 院生研究会(Graduate Student Society for Middle Eastern and Islamic Area Studies:GSMEIAS)は、立命館大学大学院学生研究会活動支援制度の助成を受けてAY2023年秋学期より新たに発足した研究コミュニティです。