シリア革命勝利宣言大会:演説祝辞詳解

CMEPS-J Report No. 87 (2025年2月19日作成)

大森 耀太

シャーム解放機構が主導する反体制派諸派は2024年11月27日、「攻撃抑止」軍事作戦局を名乗り、シリア北西部から政府支配下のアレッポ県西部に向かって攻勢を開始、12月8日には首都ダマスカスに入城し、バッシャール・アサド政権を崩壊させた。シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者がこの「攻撃抑止」軍事作戦局を主導したわけだが、アサド政権崩壊と合わせて本名であるアフマド・シャルアを名乗るとともに、その肩書を「総司令官」に変え、統治を主導している。また、北西部での統治を担ってきたシリア救国内閣のムハンマド・バーシル首班を暫定首相に任命して、暫定内閣を発足させ、移行プロセスを推し進めている。アサド政権時代の国防省と内務省は解体され、両省を新たに創設、これに伴いシリア軍も解体し、「攻撃抑止」作戦指令室に参加した武装組織の幹部らを国防大臣、参謀長、上級士官に任命し、新設された国防省のイニシアチブのもとで、シリア民主軍などを除くすべての武装組織の解体と国防省への統合に向けた取り組みが続いている。

こうしたなか、2025年1月29日に、新生シリア軍の上級士官、政府高官、そして報道関係者が出席した「シリア革命勝利宣言大会」が開催された。

以下では、大会の議事に沿って、シャルア総司令官以下、出席した武装組織の司令官について概略したうえで、祝辞の全訳を詳解する。なお、シャルア総司令官とアスアド・ハサン・シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣の演説、「シリア革命勝利宣言声明」については、シリア・アラブの春顛末記[2025]において全訳が公表されているので、これを引用した。

シャルア総司令官

大会冒頭、シャルア総司令官が基調演説を行った。その以下の通りである。

数ヶ月前、ダマスカスは献身的な母親のように、子供たちを責めるような目で見つめ、傷と屈辱、苦しみを訴えながら血を流し、痛みをこらえ、倒れそうになりながらも「我が国を助けてください!」と訴えていた。
アッラーの恵みにより、我々は束縛を打破し、シャームの民を屈辱と侮辱の埃から解放し、シリアの太陽は再び昇った。人々は歓喜し、アッラーを讃え、大勝利を収めた。
戦争や軍事的な戦いが慣れ親しんできた様相とは、荒廃、破壊、流血だ。しかし、シリアの勝利は達成され、力によって慈悲、正義、そして善行によって満たされた。
勝利はそれ自体が大きな責任であり、勝者の任務は重く、その責任は重大である。
シリアが今日必要としているのは、以前よりもさらに多い。以前、シリアの解放を決意したように、今度はその建設と発展を決意しなければならない。
今日のシリアの優先事項は、権力の空白を埋め、国民の平和を維持し、国家機関を再建し、経済開発の基盤を築き、シリアの国際的・地域的な地位を回復することだ。

シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣

シャルア総司令官に続いて、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣が以下の通り演説した。

我々は、国民の願いを表現し、自由、正義、そして尊厳を基盤とする国家を築き、すべての人が祖国愛と帰属意識、さらには献身と犠牲の精神を感じるにふさわしいシリアのアイデンティティを確立することに成功した。
シリアは現在の試練のただなかで、国外に安心を提供し、ヴィジョンを明確化し、友好を勝ち取り、そして内外の国民を代表する存在としての役割を果たすことを目的とする多角的な外交政策を推進している。
シリアの外交政策の基本目標は、共同協力、相互尊重、そして戦略的パートナーシップに基づいた地域・国際環境の創出に貢献することである。
特にアラブ地域において、この地域は、紛争の遺産を抱えている。シリアの外交政策においても、この緊張を緩和し、平和を確立することに取り組むことを試みたい。なぜなら、シリアはその取り組みを主導しているからだ。
シリアはアラブ諸国とのつながりを特に重視し、近隣諸国との関係強化を継続している。揺るぎない意志をもって歩みを進め、新たなパートナーシップを通じて外交政策の効果をさらに高め、より強固なイメージを描いていく。
さらに、アッラーのご加護のもと、米国および欧州連合(EU)において制裁の一部免除や停止を実現することができた。これにより、我々の国への参与や貢献の機会が促進され、回復と成長の動きが加速されるだろう。

司令官らの祝辞

続いて、大会に出席した司令官らが祝辞を述べていった。

アーミル・シャイフ(ʻĀmir al-Shaykh)

アミール・シャイフは、シリア国民軍、同軍に所属する国民解放戦線を主導する武装組織の一つで、アル=カーイダの元メンバーらが結成したシャーム自由人イスラーム運動の総司令官を務める。ダマスカス郊外県のカタナー市出身(生年は不明)でアブー・ウバイダ(Abū ʻUbayda)の名で知られている(Saʻūdī Nabaʼa[2024]Syria TV[2022a]X (@ameralsheikh0))。

シャイフの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名において。約束を成し遂げ、兵士を鼓舞したアッラーを称えよう。正しい道を行く預言者や慈悲深い使徒ムハンマド、その民、そしてその教友すべてに祝福と平安がありますように。
この歴史的な瞬間と偉大な機会に際し、アッラーの恵みにより我々は、政権の打倒、独裁と犯罪が蔓延る時代の終結、自国領土の解放およびその領土の国民への返還、そして文明レベルや歴史的レベルでの領土の回復を成し遂げた。これらのことは、アッラーが我々に対し、耐え忍び、団結して、解放戦線を率い、ともに征服者ウマイヤ人らの首都であるダマスカスに入城した我々の兄であるアフマド・シャルア総司令官のもとに集合するよう促さなければ、起こり得なかった。
もしアッラーが望むのであれば、我々は総司令官とともに、シリアとダマスカスを平和と文明の首都、知識と文化の集合地点、そして経済の顔や資金の集まる場所にするために、国家建設事業を継続することを決意している。
以前は前政権のせいで、シリアがテロや安全保障および人道上の危機、さらには麻薬の根源となり、当時は貧困や無知、後進性が蔓延っていた。粘り強さが一同を団結させ、シリアを解放する手段だったように、今後も粘り強さがシリアの再建、復興、そして逃れた先の国々から兄弟たちを帰還させる手段となるだろう。
我々はこの高貴な演台以降、我々の命運および指導権をアッラーの畏敬においてアフマド・シャルア総司令官に一任し、公正かつ自由で高貴な国家の建設を通じて、我々の国や国民の将来にとって最大利益となるものを追求する。
さらに我々は、その治安組織および軍事組織、バアス党、そして人民議会を解体し、来たる段階に向けた一時的な合法議会を招集することで、前政権の基礎が正式に終焉したと発表する。
最後に我々は、国と国民の幸せを含む形で我々の総司令官を加護し、アッラーが彼に善行を勧め蛮行を禁じるような正しい仲間を授けるようアッラーに願う。我々はどんなに問題や課題が多くとも、アッラーの御意思によって、総司令官と共に道の最後まで歩む。我々はアッラーに誓って、その恵みにより国と国民機関を再建し、殉教者たちが安らかに眠り、負傷者たちが回復し、移民や難民となった国民が近く帰還できるよう願う。万物の主であるアッラーを称え、あなた方に平和とその慈悲があらんことを。

アフマド・イーサー・シャイフ(Aḥmad ʻĪsā al-Shaykh)

アフマド・イーサー・シャイフは、シリア国民軍に所属する武装組織の一つで、シャーム自由人イスラーム運動と共闘関係にあるシャームの鷹旅団の司令官を務める。1972年にイドリブ県のサルジャ村で生まれ、アブー・イーサー(Abū ʻĪsā)の名で知られている(青山[2022]青山[2025a]Muʼassasa al-Dhākira al-Sūrīya[n.d.a])。

イーサー・シャイフの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。また我々の預言者ムハンマドとその民、そしてそしてその教友すべてに最大の祝福と完璧な平安がありますように。信念をもって誠実にこの国を解放した栄光あるあなた方をアッラーが長生きさせますように。完全で至高なるアッラー(称賛あれ)は我々に、殺害と犯罪を歓迎したこの犯罪者政権の終焉を与えてくださった。
高貴なる兄弟たちよ、我々はこの勝利を継続させなければならない。事実上の勝利は完了し、意味上の勝利および国家建設が残されているが、これは最大のジハードである。我々は、この勝利の継続のため、そして刷新されたシリア、新たなシリア、調和がとれ統一されて相互につながったシリアを建設するため、肩を並べ、団結し、博愛をもって誠実に取り組まなければならず、これは互いの譲歩と謙遜が無ければ達成できなかったし、今後もできない。互いに腹を割った。今日は分裂するのではなく、今日は団結の日、慈しみ合う日、一貫性の日であり、我々は一体となって支える必要がある。
預言者(アッラーが彼に祝福を与え、お救いなさいますように)が我々に忠告したように、「ムスリムたちは一つの身体のようなものである。もし目が痛ければ全身が痛み、もし頭が痛ければ全身が痛む」(ハディース(サヒーフ・ムスリム)2586、磯崎・飯森・小笠訳[2001]より引用)。
私はあなた方兄弟に、互いに争うのでなく一体となって互いの支えとなるように、そして特に至高なるアッラー(称賛あれ)がその知恵を授け、この計画およびこの業績と勝利の戦闘に立っていたアフマド・シャルア総司令官の助けとなるように、取り組むよう進言する。
そして私は、軍と治安機関という前政権で重要だった2つの機関の解体を促進する。軍の再建は私の信念である。一体化され調和のとれた国軍は、国民とこの国を守る。また私は、アフマド・シャルア総司令官のもと誠実な者たちの議会を招集し、アッラーの御加護によってシャルア総司令官と共に我々が団結するよう促す。
アッラーに誓って私は、アッラーがあなた方のこの会合に祝福を与え、我々を団結させ、高潔かつ敬虔たらしめるよう願う。至高なるアッラー(称賛あれ)は「だからアッラーを畏れなさい。アッラーは、あなたがたを教えられた方である」(コーラン2:282)と言う。あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。

アッザーム・ガリーブ(ʻAzzām al-Gharīb)

アッザーム・ガリーブは、シリア国民軍に所属するシャーム戦線の総司令官およびアレッポ県知事を務める。1985年にイドリブ県のサラーキブ市に生まれ、アブー・イッズ・サラーキブ(Abū al-ʻIzz Sarāqib)の名で知られている(al-ʻArabīya[2024]Muʼassasa al-Dhākira al-Sūrīya[n.d.b])。

ガリーブの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。アッラーが高貴なるあなた方兄弟を長生きさせますように。至高なる万能のアッラー、抑圧された信者たちに力を与えるアッラー、傲慢な抑圧者や暴君に屈辱を与えるアッラー、約束を成し遂げ、兵士を鼓舞し一人で一団を敗走させたアッラーを称えよう。アッラーが満足するように、そして満足したときも、また満足したあとでも、アッラーを称える。
高貴なる兄弟たち、武装組織の兄弟たち、そして戦闘集団たちよ、我々は今日、アッラーのおかげで、世界の前で演説するために、調和をとり、肩を並べて一か所に集まっている。出席している革命の子孫たちは全員、この偉大な勝利を継続させるために手を取り合う。
高貴なる兄弟たちよ、我々は新たな国家の建設を歴史的に達成する直前である。この実現には複数の義務があるが、心に革命の責務を持つあなた方にとってその最たる義務は、その責任に見合う行動を取ることである。
高貴なる兄弟たちよ、我々はアフマド・シャルア総司令官(アッラーが彼を守り、支えますように)のもと、全力を尽くし、手中にある革命の力を注ぎ、現在のシリア政権の助け、支え、そして防衛の要とならなければならない。
この会合の外にいる者たちは、我々から多くのものを期待している。私は今日、あるキャンプに訪れたが、人々の苦しみはいまだ存在していた。彼らは我々に、新たなシリア、我々が夢見る理想的なシリアの建設を期待している。国家建設やこの勝利は、驚くほど我々がそれらの成果を実感した団結や一体化、そして粘り強さが無ければ成しえないだろう。そして我々は今、アッラーがその恩義と寛大さを我々に与えてくださるよう、この道を進み続けなければならない。
この文脈で、我々全員がいかなる些細なことや個人的な事情も重要視せず、看過するのが適切である。というのも、この偉大な勝利を守り保護する考えより大事な考えはないのだ。
我々は、アッラーが我々の殉教者たちを迎え入れ、あなた方の犠牲や忍耐や我慢を受け入れ、我々の負傷者を治癒し、シリア国民が安全かつ安心して自宅に帰還する見込みにおいて我々の苦労を減らしてくれるようアッラーに願う。
あなた方が元気でありますように。またあなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。

ファドルッラー・ハッジー(Faḍl Allāh al-Ḥajjī)

ファドルッラー・ハッジーは、自由シリア軍に所属する組織が連合を組んで設立した国民解放戦線の総司令官を務める。アレッポ県のカフル・ヤフムール村出身で、アブー・ヤーミン(Abū Yāmin)の名で知られている(ʻArabī 21[2020]Muʼassasa al-Dhākira al-Sūrīya[n.d.c])。

ハッジーの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名、アフマド・シャルア総司令官、兄弟である自由で名誉ある司令官たちの名において。
私たちは今日、誇りと期待に溢れた感情をもって、高尚で自由な未来への階段を前に団結するべきである。溢れんばかりの博愛と賞賛とともに、私はあなた方に、名誉ある戦闘員たちが作り上げたこの偉大な勝利を祝うもっとも威厳ある祝福の章句を送る。
偉大なすべての階層に属する偉大な国民の本物の犠牲が私の道標を描いた。それは、勇敢で忍耐強い男たちの姿、男性に劣らない清廉な女性の役目、その重要さが山頂にも届く子供たちの決意、愛すべき祖国にその匂いが漂う殉教者たちの血、国民の微笑み、そして戦場で会い、今革命の偉大な勝利の祝辞を交わしている親友たちの涙によって描かれた。
これまで述べてきたことや達成したすべてのことをもって、我々は名誉があり誉で誇り高いプラカードを描き、「自由なシリア」とけたたましく響き渡るこのプラカードを世界に掲げる。
兄弟たちよ、我々のこの勝利は結末でも目標の終着点でもなく、強く公正な国作りや多くの犠牲を払い闘ってきた国民の明るい未来に向けた最初の道のりの始まりなのである。
兄弟たちよ、アッラーが我々の殉教者たちを迎え入れ、負傷者たちを治癒させ、現在も前線にいる者たちを固持してくださいますように。アッラーがあなた方を祝福し、成功させますように。

イサーム・ブワイダーニー(ʻIṣām Buwayḍānī)

イサーム・ブワイダーニーは、イスラーム戦線に所属する組織の1つであるイスラーム軍の総司令官を務める。1975年にダマスカス郊外県のドゥーマー市出身で、アブー・ハマーム(Abū Hamām)の名で知られている(al-ʻArabīya[2018]Muʼassasa al-Dhākira al-Sūrīya[n.d.e]X (@abohmam_buedany))。

ブワイダーニーの祝辞は以下の通りである。

万物の主であるアッラーを称え、預言者たちに祝福と平安がありますように。敬虔な者たちに報いがあり、不正を犯す者たち以外に祟りがありませんように。出席している高貴なる司令官たち全員をアッラーが長生きさせ、祝福しますように。
あなた方は偉大な尽力を注ぎ、今日その尽力の成果を実感している。完全にして至高なるアッラーのおかげで今日実を結んだこの尽力は、すべてのムスリムの心に刻まれる偉大な勝利となった。我々の多くが待望していた我々の多くが待望したこの日に、完全なるアッラーのおかげで勝利が実現した。
ある者は「我々はもう達成した」というかもしれないが、私は「今我々は始めたのだ」という。我々は国家建設から始めなければならないが、もっとも大切なのは人材育成だ。そのため我々は、国家の人材および革命の人材によって国家建設を行うべきである。我々の革命は多くの人材を想起させるが、彼らは国家建設にも参加すべきである。そして我々の軍隊、すなわち誰もその上に立たない、破壊ではなく国家建設をするシリア人のための軍隊を我々は設立し、占領下に置かれている残りの国土を解放するべきである。また我々はみな、今後数日のうちに残りの国土を解放するために、持てる限りの力を尽くさなければならない。
兄弟たちよ、私はこの場所から避難先の国で郷愁の念を抱きながら育った人たちをはじめとするすべての海外移住者に向け、シリアに戻るよう、手を取り合って祖国に戻るよう書簡を送る。
シリアはあなた方から多くを期待しているし、シリアはそれに値する。この国には犯罪者たちが住み、彼らは国を、人間を、インフラを、そして石や木を破壊した。完全にして至高なるアッラーの思し召しによって、我々は再び文明の国シリアを建設しなければならない。
アッラーがあなた方を祝福しますように。万物の主であるアッラーを称えましょう。

ファヒーム・イーサー(Fahīm ʻĪsā)

ファヒーム・イーサーは、シリア国民軍第2軍団司令官および同軍に所属するスルターン・ムラード師団の総司令官、そして解放のための革命家機構司令官を務める。出身地および生年は不明で、アブー・アフマド(Abū Aḥmad)の名で知られている(Muʼassasa al-Dhākira al-Sūrīya[n.d.d]Syria TV[2022a])。

イーサーの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名において。
高貴なる出席者たち、勇敢な司令官たちよ、まず私は、アフマド・シャルア総司令官にその高貴なる呼びかけを感謝する。我々が今日、偉大なシリア革命の道筋における歴史的瞬間を示すこの会合に際し、美しいダマスカスにいることは、とても名誉あることである。我々は今日、革命の勝利を祝うだけでなく、国民のアイデンティティおよび尊厳を変える試みを前に逃げるのでなはく団結した偉大なシリア国民の犠牲と殉教者たちの魂を祝うのだ。
我々はここ数年間、不正と敵意を前に沈黙していたが、今日我々の目前には新たなシリア、すなわち公正と平等を基に独裁や抑圧とは無縁の国家がある。この偉大な勝利ののち、すべてのシリア人にとって最良の未来を保証するため、団結と継続的な働きかけが要される新たな段階が始まる。
この一環として我々は、国家の治安と平和維持およびすべての国家機関での変革の具体化のため、防衛省と労働省での計画を確認する。
アフマド・シャルア総司令官が率いる移行プロセスは、相当な勇気と決意を我々に求めるが、我々はシャルア総司令官の指導力によって長らく夢に見てきた新たなシリアが築かれることをうれしく思う。
話す機会をいただいたこと、そしてご清聴いただいたことを感謝する。アッラーが私たち全員の行いを、この道を誠実に完走するために見守ってくださいますように。高潔な殉教者たちよ、安らかに魂を駆け巡らせてください。あなた方が求めた自由はついに実現しまし、私たちは今日偉大な国民とともに、暴君や犯罪者のいない、平和と安全の国としてのシリアの復活を祝っています。あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。

サイフッディーン・ブーラード(Sayf Būlād)

サイフッディーン・ブーラードは、シリア国民軍に所属するハムザ師団の総司令官を務める。アレッポ県出身(生年は不明)で、アブー・バクル(Abū Bakr)の名で知られている(Muʼassasa al-Dhākira al-Sūrīya[n.d.h]X (@seyfebubekir))。

ブーラードの祝辞は以下の通りである。

アッラーの御名において、預言者たち、その民、そしてその教友すべてに祝福と平安がありますように。アフマド・シャルア総司令官閣下、諸大臣閣下、兄弟である勇敢な司令官たちよ。
我々は今日、親愛なるシリアの大地で集まっているが、すでに我々は血や犠牲によってウンマ(共同体、民族)の歴史に刻まれる勝利の一節を書き込んだ。この勝利は一瞬で成し遂げられたのではなく、長い忍耐、揺るぎない意志、そして我々の偉大な国民が名誉と尊厳の戦場で払った犠牲の賜物である。
我々の祝福された革命の勝利は、我々に大きな責務を課している。我々は新たな段階に直面しており、その段階では、自由かつ公正で制度化された国としてのシリアを再建するために団結し、忍耐強くあることが求められている。そのため我々は当初より、防衛省での紛糾に備えていると明かしていたのだ。
すでに我々は防衛省から要請されたすべての措置を講じ始め、軽視できない国家的な義務とされる革命の成果の保護への効果的な関与に着手する予定だ。そしてこの文脈において、我々は移行プロセスの指導に関して、アフマド・シャルア総司令官を無条件に支持することを確認する。
我々はアッラーに、国益にかなうかたちでシャルア総司令官を成功に導いてくださるよう、そして国の統一を守り、公正な運営を保証し、国民の犠牲にふさわしい繫栄した未来の構築という国民の期待に応えてくださるよう願います。
さらに我々は総司令官閣下に対し、シリアが直面しているこのセンシティブな段階で我々が必要だと考える諸決定を下すよう提案する。それらは現行の憲法の停止、前軍隊およびすべての治安組織の解体、前政権の管轄下にあった人民議会の解散、移行プロセスにおいて合法的かつ限定的な効力を与える議会または一時的な機関の組織である。
最後に私は、我々の責務はまだ終わっていないどころか、今始まったということを確認する。我々は責任を果たし、自由なシリア、未来のシリアに向かって進もう。
殉教者たちへの慈悲、負傷者たちの一刻も早い回復、そして新たなシリアに栄光あれ。あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。

アフマド・ハーイス(Aḥmad al-Hāyis)

アフマド・ハーイスは、解放建設運動の総司令官および、シリア国民軍に所属し、2021年には米国務省によってSDN(SYRIA-EO13894)に指定された東部自由人連合の総司令官を務める。出身地および生年は不明で、アブー・ハーティム・シャクラー(Abū Ḥātim Shaqrā)の名で知られている(青山[2021]Office of Foreign Assets Control, US Department of the Treasury[2021]Syria TV[2024])。

ハーイスの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。アッラーの御名において。被抑圧者たちの支持者かつ信者たちを励ます者であるアッラーを称えよう。我々預言者ムハンマド、その民、そしてその教友すべてに祝福と平安がありますように。革命を行う自由民たちよ、偉大なシリア国民たちよ、あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。
我々は今日、忍耐と犠牲の数年間を経て、特筆すべき歴史的な瞬間に立ち、国民がその無辜の血と偉大な忍耐を刻んだ祝福された革命、高貴で自由な革命の勝利を宣言している。この勝利は、我々の敬虔な殉教者たちの犠牲、勇敢な男たちの忍耐、そして闇や独裁に屈服しなかった国民の意思がなければ成し遂げられなかった。しかし兄弟たちよ、我々は今日、偉大なる責任を前にしている。革命は暴君が倒れて終わるのではなく、分裂させるような圧政や占領から解放された、自由かつ統一されて独立したシリアの建設に際してすべての目標を実現するまで継続する。
私たちはここで次のことを確認する。
1つ、団結する必要性。我々が今日実現したことは、我々が団結していなければ成しえなかったので、今後も我々は相違や食い違いを避け、一貫性と団結を維持していく。
2つ、シリア領の完全な解放活動を続けること。シリアのジャズィーラ地方(シリア北東部で北・東シリア自治局の支配地域)をはじめとして、いまだ分離勢力の民兵によって占領されている地域がある。我々はシリアの領土と国民が完全に統一され、シリアが解放されるまで約束を守り続ける予定だ。
3つ、国家的な結果の否定し、国民の意思に反する新たな現実を課そうとする分離主義的なすべての計画の排除。シリアはすべての国民のものであり、我々はシリアが国外勢力の争いや分離主義的計画の場になることを受け入れない。
自由民たちよ、我々は次の段階が過去に経たものよりも難しいと発表する。しかし我々は、アッラーの思し召しによって、そして新たなシリア、公正な法治国家、そして国民の尊厳を保ち、彼らの自由を守り、次世代に明るい未来を創るような国家を建設するというあなた方の意思によって、それを乗り越えることができる。
4つ、我々は政府や立法機関などの、自由なシリア国民が期待する新たな国家機関の建設に尽力し、愛すべきシリアの隅々まで自由の光が届くよう我々が立ち上がった目的を達成するために努力する。
あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。

ムハンマド・ジャースィム(Muḥammad al-Jāsim)

ムハンマド・ジャースィムは、シリア国民軍の主力をなすスルターン・スライマーン・シャー師団の総司令官を務める。出身地および生年は不明で、アブー・アムシャ(Abū ʻAmsha)の名で知られている(青山[2024]X (@abo33amsha))。


ジャースィムの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名において。万物の主であるアッラーを称え、我々の預言者ムハンマド、その民、そしてその教友すべてに祝福と平安がありますように。革命の兄であるアフマド・シャルア総司令官と革命者たちの司令官であるあなた方をアッラーが長生きさせ、あなた方の努力を祝福しますように。
犯罪政権とその支持者たちに対抗する一つの塹壕で、我々の血が混ざり合った戦闘と防衛戦が続いた数年を経て、我々は今、アッラーの恵みによって勝利を得ました。それはアッラーのご加護のおかげであり、私たちに栄光と高みへの道を示してくれた尊い殉教者たちの犠牲、また痛みや苦しみ、避難に耐えた捕虜や負傷者そしてその母たちによる忍耐のおかげでもある。
我々に勝利を授け、この犯罪政権からの国民の解放を可能にしてくれた万物の主であるアッラーを称えよう。
我々が今日、革命から国家建設まで我々の組織を継続させるために必要としているのは、アフマド・シャルア総司令官の指揮下における新たな我々の国家、自由で公正な国家のために我々自身と我々の武器を捧げることだ。
アッラーがシャルア総司令官にすべての善を授けますように、あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように、そして我々の偉大な国民にアッラーの祝福がありますように。

サーリム・アンタリー(Sālim al-ʻAntarī)

サーリム・アンタリーは、米国が占拠するシリア南部のタンフ国境通行所(55キロ地帯)で活動するシリア自由軍の総司令官を務める。出身地および生年は不明(青山[2025b]al-ʻArabī al-Jadīd[2024])。

アンタリーの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。
私は演説が上手な兵士ではないので、この高貴な会合のなかで私を補佐してくれる言葉で話すつもりだ。
私は今日この祝福された会合で、あなた方の前に立ち、偉大な国民の勝利を宣言できることを誇りに思う。シリア国民は勝ち、シリア国民政権も勝ち、国民の意思が勝つのも間違いない。
アフマド・シャルア総司令官、諸大臣閣下、高貴な諸君よ、今我々みな、勢力を結集させ、国を築くに際し、ある1つの言葉、すなわち結集と統一という言葉を言うために、我々の祝福されたこの会合に集まっている。
我々は軍事的には勝利したが、これからも確かな足取りと確固たる決意、そして我々のこの勝利の実現に向けて過去数年間それと共に歩んだ確かな意思と共に前進することが必要とされている。
この偉大な勝利は、シリアの将来が繁栄することで完遂されるべきである。我々はみな、善行、発展、そして繫栄した未来のために、アッラーの思し召しによって国家のために働く責任がある。
皆さんありがとう。

ジャミール・サーリフ(Jamīl al-Ṣāliḥ)

ジャミール・サーリフは、シリア軍を離反した将校で、ハマー県やイドリブ県で活動していた反体制派を合併して作ったイッザ軍の総司令官を務め、新生シリア軍では准将を務める。1974年にハマー県ラターミナ町で生まれた(青山[2020]青山[2025a]Facebook (@profile.php?id=100086303713000)Muʼassasa al-Dhākira al-Sūrīya[n.d.g])。


サーリフの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲がありますように。シリア革命の勝利に際し、我々全員に祝福あれ。我々の国民、民衆に祝福あれ。我々の殉教者たちや負傷者たちに祝福あれ。そして被拘禁者の家族たちに祝福あれ。完全にして至高なるアッラーが我々を勝利させてくれた。
私は少し時間をさかのぼって、戦いの決定を下した人に祝福あれと言いたい。というのも戦いの決定は、全世界が「この戦いは負ける」と言っていた時に下されたのだ。私は、大きな決定を下したアフマド・シャルア総司令官を祝福する。この決定が無ければ、我々はここにいなかっただろう。
私はシャルア総司令官を祝福し、彼に対して、「アッラーがあなたを祝福し、この決定を下す際にあなたを支え、ともに立ち上がったすべての人も祝福しますように」と言う。そして「この決定を初めからこの勝利に至るまで支えたすべての戦闘員たちに、「アッラーが祝福しますように」と言う。またキャンプにいる我々のために祈り、ともに立ち上がってくれた民衆たちにも「アッラーが祝福しますように」と言う。さらにシリアの外にいて、我々全員のために祈ってくれた移民の家族たちに、「アッラーが祝福しますように」と言う。シリア革命にいたすべての軍事司令官に「祝福あれ」と言う。
我々は開戦の決定を下した総司令官を信じたし、アッラーがその総司令官と我々をダマスカスへと至らせたように、この道を完走するために、我々はまた彼を信じ、彼とともに立ち上がらなければならない。
我々は今日、ダマスカス、つまりはウマイヤ朝の首都にいる。再び我々とともに立ち上がり、偉大なシリア、アラブのシリア、イスラームのシリア、そして汎アラブのシリアを再建するために、我々は相手に、民衆に、仲間に、そして目的を達成できなかった人々にそれを呼びかけなければならない。
今日はシリア国民のための勝利ではなく、アラブ・ウンマ(民族)のための勝利である。
アッラーがあなた方を報い、元気を与えますように。

イスマト・アブスィー(ʻIṣmat al-ʻAbsī)

イスマト・アブスィーは、ダール・アドル(正義の館)前代表、ダルアー県議会議長
を務める。ダルアー県のサフム・ジャウラーン村出身(生年は不明)(Facebook (@daraa24.24)Muʼassasa al-Dhākira al-Sūrīya[n.d.f])。

アブスィーの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名において。この明白な解放によって我々を強化し、この偉大な勝利によって我々を喜ばせてくださったアッラーを称えよう。
武装組織の同胞たちよ、私の前にいた同僚たち全員が繰り返したにもかかわらず、それを再び繰り返すことを許してほしい。
我々はシリア革命に勝利し、尊厳の革命にも勝利した。憎むべきアサド政権は崩壊し、邪悪な犯罪者は倒れた。サイドナーヤー刑務所の主は倒れ、我々の愛する者たちを殺した拷問機の父も倒れた。
あなた方には、これらの拘置所で殺害された愛する者がいたに違いないでしょう。しかしこれらはすべて、この勝利はアッラーが我々に力を与え、我々が些細な相違を排除して団結しなければ成し遂げられなかったということを我々に思い出させてくれる。またこの勝利は、我々がみな、革命がもっとも下火になっていると思っていたタイミングで宣戦布告するという勇敢な決定を取るようアフマド・シャルア総司令官にアッラーが力と偉大さを与えなければ成し遂げられなかった。
愛する者たちよ、我々が手にしている勝利は、殉教者たちが我々の肩に託したものである。この託されたものにかけて、強く偉大なアッラーを畏れ、それぞれの立場や役職に応じて、この団結とよき集団を維持しよう。
これより我々は、解放戦線を率いた兄弟であるアフマド・シャルア総司令官に、我々とともに建国段階への移行プロセスを率いるのを委任する。私は、キャンプをはじめとするシリア全土にいる国民が、この会合の結果を待望していると言っているのではなく、全世界の自由民および被抑圧者が、「シリアは立ち上がり、その地位を回復することができるのか」と今のシリアを見つめていると言っているのだ。
アッラーに誓って、殉教者の血を大切にせよ。アッラーに誓って、被拘禁者たちの苦しみを忘れるな。アッラーに誓って、今もなおテントで暮らし、勝利を喜んだものの、振り返ると家が地面に崩れ去っていた我々の兄弟たちのことを思いやれ。
私は偉大なアッラーに対し、我々全員が総司令官のもとに団結し、一体となれるよう願う。私は、至高なるアッラーの「そして論争して意気をくじかれ、力を失なってはならない」(コーラン8:46)という言葉で締めたい。私は、我々に力を与え、この国民宮殿から国民の勝利を宣言させてくれたアッラーに、今後シリアがこの地域の指導的な地位へと復帰したと宣言できるよう願う。万物の主であるアッラーを称え、あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。

ムハンマド・ファイサル(Muḥammad al-Fayṣal)

イスマト・アブスィーは、メディア活動家を務める。出身地や生年は不明(Facebook(@mohamadalfaisa1)X(@mhmdfaisel))。


アブスィーの祝辞は以下の通りである。

あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。シリア政権の総司令官で尊敬されるアフマド・シャルア博士、作戦指令部閣下、高貴な地位と高潔な心を持つ皆さま、そして戦場の同志たちよ。
私の名において、そしてその始まりからアッラーがあなた方と献身的な戦闘員たちの手に与えた勝利までシリア革命の終始を追った自由なシリア人ジャーナリストたちの名において、私は今一度、シリアに未来の扉を開け、国民が不正と独裁を終わらせたこの解放をもって、あなた方とシリア国民を祝福したい。
戦いは、解放と新たな独立のための尊厳ある戦いであり、そこでは重い足取りの兵士たちが軍事作戦や勇敢な突撃によって貢献した。そして戦場での殉教者や拘置所で殺害された人々の犠牲、そして世界各国にいる数百万の移民や難民を含む厳しい状況下のキャンプで長年耐えてきた人々の犠牲によってこの戦いは頂点に達し、彼ら全員が、あなた方の指揮指導下で、この勝利を作ったのだ。さらに彼らはアッラーの思し召しによって、新たなシリアを築くのに携わるだろう。
歴史のなかで稀に、国民全体があらゆる階層を問わず、自らの義務を認識し、自発的にその勝利を強化し、確固たるものにするために行動することがある。その先頭に立っていたのはジャーナリストたちであり、彼らは記録を残し、世論を喚起し、国家的な啓蒙活動をし、疑念を払拭し、我々の戦いの純粋さと自由のための闘争を傷つけようとする陰謀や噂を封じ込める役割を果たし、勝利の行進に加わった。
我々は、革命の思考から国家の思考へと、そして革命の論理から国家の論理へと、移行に関する新たな考えを広めているあなた方と手を取り合い、省庁や国家機関の強化の必要性に関するあなた方の方針を確認する。
ジャーナリストとしての我々のささやかな役割は、歴史のなかで献身的なすべての努力が求められるセンシティブなこの段階において、あなた方の支持者となり、シリアがあなた方も我々も追い求める強いシリアになるよう、シリアを再建し、その行政機構を再び確実に設立することだ。
あなた方が行っている大規模な政治活動、外交活動、そしてシリアの地政学的な立場に基づいたその前向きな役割の回復は、偉大な取り組みであり、我々はこれを高く評価している。我々ジャーナリストはあなた方から、我々の出演に際して、さらには連携するチャンネルや報道局で放送する内容を支える発想を得ている。これらはすべて、国民の間に安心感を広め、我々が誇りたいシリアの報道イメージの醸造のために首相閣下や外務大臣および報道大臣をはじめとするすべての大臣が行っている多大な努力と並行している。
シリア人ジャーナリストたちは、ここ数年間も、そしてこれからも、シリアと我々が誇るその指導者たちの矢筒に入った矢であり続け、シリアの国益を守り、あなた方が常に言っているように、ダマスカスにふさわしい先進国の一員としてシリアが自由で文明的になるまでその建設に着手する。
最後に、今になってようやく、私たちはこの国への真の帰属意識を感じ始め、この国を心から大切に思うようになった。
あなた方に善がありますように。
あなた方、すべての英雄、殉教者となった我々の兄弟や戦闘員、ジャーナリストたちや民間人、そして被拘禁者たち、そして我々にこの勝利を実現してくれたすべての殉教者たちに敬意を示す。我々はみな、この国の再建と義務を果たす仲間となったのだ。我々は、犠牲を分かち合い、アッラーが我々に勝利をもたらし、あなた方と我々がともに戦い抜いた被抑圧者たちの戦争において、アッラーがその約束を果たしてくださると確信してきた。
あなた方に平和とアッラーの慈悲と祝福がありますように。

シリア革命勝利宣言声明

最期に、ハサン・アブドゥルガニー総司令部報道官が「シリア革命勝利宣言声明」を読み上げた。

声明の内容は以下の通りである。

シリア革命勝利宣言声明
慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名において
アサド体制によるシリア国民への圧政と独裁が数十年にわたって行われ、偉大なるシリア革命の英雄たちの14年間にわたる多大なる犠牲により、尊厳ある我が国民に数十万の殉教者、負傷者、拘束者が出て、数百万の人々が避難を余儀なくされた。2011年3月より続いたこの英雄伝は、ついに2024年12月8日朝、アッラーの加護と支持のもとに輝かしい勝利を収めた。我々軍事作戦司令部は、偉大なるシリア国民に対し、その名のもとに正統性を体現した祝福された革命の勝利を心から祝福し、これに基づき以下を発表する。
1. シリア革命の偉大なる勝利(を宣言し)、そして毎年12月8日を国民の日と定める。
2. 2012年憲法の効力を停止し、あらゆる例外法の適用を廃止する。
3. 旧体制下で設置されていた人民議会およびその下部委員会を解散する。
4. 旧体制の軍を解散し、愛国的基礎に基づく新たなシリア軍を再編成する。
5. 旧体制に属するすべての治安機関を、その支部や名称を問わず解散し、また旧体制が設立したすべての民兵組織を廃止する。これに代えて、市民の安全を確保するための新たな治安機関を設立する。
6. アラブ社会主義バアス党および国民進歩戦線の諸政党を解散し、これらに属する組織・機関・委員会をすべて廃止する。また、いかなる名称においてもこれらを再編することを禁じ、その全資産はシリア国家に帰属するものとする。
7. 闘争を貫徹し、新たなシリアの国家を建設するための役割を強化するため、すべての軍事組織、および政治・民間の革命組織を解散し、これを国家機関に統合する。
8. アフマド・シャルア氏を移行期における国家指導者(大統領)とし、シリア・アラブ共和国の大統領としての職務を遂行し、国際社会において国家機関を代表するものとする。
9. アフマド・シャルア総司令官に対し、移行期における暫定立法評議会の設立を委任し、恒久憲法の制定および施行までの間、その立法機能を担うものとする。
ヒジュラ暦1446年ラジャブ月29日(西暦2025年1月29日)水曜日に発布。

参考資料