中東諸国民の政策選好と統治の正統性

2022年〜2027年度科学研究費助成事業(基盤研究(A) 22H00055)

研究概要

中東諸国の国内政治はしばしば国際的に大きな影響を及ぼすことがあるため、政策決定プロセスの解明は国際問題解決のために強く求められる研究課題である。本研究は、中東諸国の国内政治を各国の国民による政策選好の結果に位置付け、世論調査を通じて人々の現実的な政策需要と統治機構への評価態度の関連を分析することで、国民から見た政府の承認、すなわち統治の正統性を明らかにする。

具体的には、国際的に影響を及ぼす近年の中東地域情勢から想起される3つの研究課題に答えることを目的とする。その課題とは、①紛争から国家再建を目指して政治エリートが提案する政策に対して国民はいかに選好を形成するか、②紛争の渦中には無いものの難民流入等の影響を受ける国々が、厳しい財政負担の制約下で実行する政策的対応は国民の選好とどの程度付合しているのか、③グローバル化がもたらす社会の分断への各国の対応は、国民の選好とどのくらい合致しているのか、というものである。政策選好を切り口とした3つの課題の答えを得るため、調査対象国で実験世論調査を実施し分析することで、中東諸国における統治の正統性を解明する。

研究構成員

研究代表者

研究分担者

    • 青山弘之(東京外国語大学総合国際学研究院教授)
    • 今井宏平(日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター研究員)
    • 髙岡豊(東京外国語大学総合国際研究院研究員)
    • 錦田愛子(慶応義塾大学法学部准教授)
    • 松尾昌樹(宇都宮大学国際学部准教授)
    • 山尾大(九州大学大学院比較社会文化研究院准教授)

研究成果

2022年4月作成