「「中東世論調査(トルコのシリア難民2019)」単純集計報告書」(CMEPS-J Report No. 51)

研究プロジェクト「東アラブ地域の非公的政治主体による国家機能の補完・簒奪に関する研究」の研究成果「「中東世論調査トルコのシリア難民2019)」単純集計報告書」(CMEPS-J Report No. 51)(PDF版HTML版)を主な刊行物 / Publicaitonsで公開しました。

主な刊行物

シンポジウム「IS(イスラーム国)とUS(アメリカ)がいなくなったシリアはどこへ向かうのか」が開催される

去る11月10日(日曜日)、東京外国語大学本郷サテライトにてシンポジウム「IS(イスラーム国)とUS(アメリカ)がいなくなったシリアはどこへ向かうのか」が開催され、シリア支援団体ピース・オブ・シリア(Piece of Syria)の中野貴行代表と東京外国語大学の青山弘之教授が、シリアでの人道支援や政治情勢の現状そして今後の展望について講演しました。

会場には40人が来場し、講演の様子はIWJ(Independent Web Journal)Ch5で生中継されました。

また、時事通信社より「「IS後」シリアどうなる アサド政権、復興画策:都内でシンポ」(2019年11月11日)が配信されました。

 

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IS(イスラーム国)とUS(アメリカ)がいなくなったシリアはどこへ向かうのか
シリアに魅せられたNGO代表と研究者が語る

 

趣旨

アメリカは「国際社会最大の脅威」と目されてきたIS(イスラーム国)のバグダーディー指導者を殺害したと発表しました。これに先だって、米国はISに対する「テロとの戦い」を行うとして派遣していた部隊をシリア北東部から撤退させ、クルド民族主義勢力の支配下にあった同地はトルコの侵攻、シリア・ロシアによる勢力拡大といった事態に直面しています。シリアは今どこに向かおうとしているのでしょうか? 本シンポジウムでは、シリアに長期滞在経験があるNGO代表と研究者が現状をどのように理解し、これにどう対処すべきかを考えていきたいと思います。

日時

2019年11月10日(日曜日)15:00~17:00

場所

東京外国語大学本郷サテライト4Fセミナールーム
〒113-0033 東京都文京区本郷2-14-10

登壇者

中野貴行
大阪生まれ。神戸市外国語大学卒、商社、フィリピン支援NGOボランティアを経て、シリアで青年海外協力隊として活動。2015年よりシリア周辺国10カ国を周り、難民となったシリア人や支援団体から話を聞く。2016年からシリア支援団体 Piece of Syria(http://piece-of-syria.org)を立ち上げる。シリア国内の教育支援、トルコでシリア難民支援、日本各地で写真展・講演活動を行なう。

青山弘之
東京生まれ。東京外語大学卒、一橋大学院修了後、シリアのダマスカス・フランス・アラブ研究所共同研究員、JETROアジア経済研究所研究員を経て現職。「シリア・アラブの顛末記」(http://syriaarabspring.info/)、「現代中東政治研究ネットワーク(CMESP-J.net)」(http://cmeps-j.net/)を運営。編書に『シリア情勢:終わらない人道危機(岩波新書)』(岩波書店、2017年)などがある。

プログラム

15:00-15:10 開会
15:10-15:50 中野報告
15:50-16:00 質疑応答
16:00-16:40 青山報告
16:40-18:00 クロストーク+質疑応答

会費

無料

問い合わせ先

E-mail:biladalsham[a]tufs.ac.jp

主催

文部科学省科学研究費補助金基盤研究(A)「東アラブ地域の非公的政治主体による国家機能の補完・簒奪に関する研究」

Piece of Syria(ピースオブシリア)

協力

Team Beko

 

青山弘之・木戸皓平「制憲委員会(憲法委員会):2019年10月30日に国連が発表した代表および同日に選出された小委員会メンバー」(シリア)

青山弘之・木戸皓平「制憲委員会(憲法委員会):2019年10月30日に国連が発表した代表および同日に選出された小委員会メンバー」(CMEPS-J Report No. 50-2)を国別ファイルで公開しました。

Country Files

ポスト紛争社会の政治動員と投票率の関係

日本選挙学会ポスターセッション

2019年7月14日10時~11時30分

要旨

ポスト紛争国に導入された選挙において、政治動員は投票参加にいかなる影響を与えるのだろうか。民主化などの大きな体制変動や紛争後の出発選挙では、おおむね投票率が高くなる傾向が認められ、その後次第に下がっていくことが多い_。こうした社会では、どのような場合、投票率があがり、いかなる条件で投票率が下がるのだろうか。政治動員はそれにいかなる影響を与えるのだろうか。
本報告では、大きな体制変動の後に紛争を経験したイラクを事例に、政治動員と投票参加の関係を、フィールドサーベイ実験によって明らかにすることを目指す。先行研究では、おおむね動員が投票率を引き上げるとの主張が支持されている。
イラクのようなポスト紛争社会においては、選挙での政治動員が投票参加にどのような影響を及ぼすのだろうか。本報告で取り組みたいのは、この問題である。
この問題を解明するために、IS(イスラーム国)が掃討された後の2018年議会選挙に着目し、政治動員が投票率に与える影響を明らかにし、いかなる条件で投票率が上がる/下がるのかを考えたい。

報告者

  • 浜中新吾(龍谷大学)
  • 山尾大(九州大学)

 

 

多角的アプローチを通じて解明するシリア紛争の影響:人々の意識変化に関する量的研究、質的研究

日本中東学会第35回年次大会企画セッション4

2019年5月12日12:40-14:10
秋田大学手形キャンパス

要旨

2011年に発生したシリア紛争は、甚大な人的・物的被害をもたらした。死者総数は50万人弱にのぼると推計され、UNHCRによると、560万人以上(2018年11月)が難民として国外に流出、またUNOCHAによると、約600万人(2016年1月)が国内避難民(IDPs)となり、支援を必要としている。「今世紀最悪の人道危機」と称された同紛争最大の被害者とも言える難民・避難民については、イスラーム国の台頭と前後して、欧州への移民・難民の流入への注目が集まるなか、アカデミアにおいても、種々の調査を通じて、実態把握がめざされるようになった。本企画セッションは、こうした試みの一環として、難民の受入先である欧州や周辺アラブ諸国、そしてシリア本国で報告者が実施してきた世論調査や事例調査をもとに、計量学に代表される量的アプローチと地域研究の王道である質的(叙述型)アプローチを駆使して、難民・避難民を含むシリアの人々の意識に紛争がどのような影響を与えたのかを解明する。

司会

  • 髙岡豊(中東調査会)

報告者

  • 青山弘之(東京外国語大学)
  • 浜中新吾(龍谷大学)
  • 錦田愛子(慶應義塾大学)

黙殺されてきたシリア内戦最大の被害者たちは何を欲しているか:IDPs世論調査結果の地域研究的解読(青山弘之)

本報告では、2018年にシリア6県(ダマスカス県、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ヒムス県、ラタキア県、ハサカ県)で暮らす国内避難民(IDPs)を対処とした世論調査の結果を地域研究の手法をもって分析(質的分析)し、予定調和や勧善懲悪によって作り出される難民・避難民・移民のステレオタイプと、彼らの実態の乖離を明らかにする。

シリア政府支配下住民と国内避難民の国際関係認識:政治的認知地図によるアプローチ(浜中新吾)

本報告では、2017年実施のシリア世論調査と2018年実施のシリア避難民調査の結果を用いて人々の政治意識の違いにアプローチする。シリア政府支配地域下の住民と避難民となった住民との間には社会階層上の相違があると思われ、そのことが彼らの対外認識における相違と相関していることだろう。この関係に対して国際政治理論を通じた量的分析を試みる。

帰還をめぐる思い:シリア難民の移動に対する意識の比較分析(錦田愛子)

本報告では、シリア紛争による難民および避難民が帰還をめぐり抱く意識について、事例と世論調査の分析を通してその一端を明らかにすることを試みる。シリアの周辺国であるヨルダンやレバノンと、移住先のドイツなどでは移動に対して頂く意識にどのような差があるのか、出身地域や居住年数、世代、政治的傾向等による相違について検討を加える。